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テロ警戒、米トランプ政権が電子機器の機内持ち込み禁止へ(21日から)

ニューズウィーク日本版 / 2017年3月21日 15時40分

<報道と相前後して、ロイヤル・ヨルダン航空が持ち込み禁止をツイート。こうした措置は、政府が脅威を察知しそれに対処するために取られることが多い>

ロイター通信は3月20日、匿名の米当局者の話として、アメリカ行きの便を運航する中東など10カ国あまりの航空会社(アメリカ以外)の乗客は、パソコンやカメラなど一定の電子機器を機内持ち込みできなくなると報じた。中東の航空会社1社が同日、この規制に関してツイートしたが、まもなく削除した。

ロイヤル・ヨルダン航空は3月20日の正午ごろ、次のようにツイートした。「アメリカの関係省庁からの指示に従い、アメリカ発着の航空機にご搭乗のお客様は、機内への電子機器の持ち込みが禁止されます」。それに続けて、携帯電話と医療機器は持ち込み禁止対象外であることと、この措置の実施開始は3月21日であることが説明された。ロイヤル・ヨルダン航空は同じ内容をフェイスブックにも投稿したほか、両ソーシャルメディアに寄せられた複数のコメントに返事していた。ところが、それから数時間後、この投稿はツイッターとフェイスブック双方から削除された。

ロイターの報道に先立って、アメリカ連邦航空局(FAA)と運輸保安庁(TSA)の担当者は本誌に対し、この件に関してはアメリカ国土安全保障省(DHS)に直接問い合わせるよう話していた。ただし、TSAの担当者は、ロイヤル・ヨルダン航空のツイッターについて認識していることは認めた。禁止措置は21日にDHSから発表される見通し。

10数社の航空会社に影響

DHS広報部門のデビッド・ラパン報道官はメールで次のように声明を出している。「可能性のあるセキュリティ対策に関してはノーコメントだが、必要に応じて最新情報を提供する」

CNNの航空担当記者ジョン・オストロワーは3月20日、「CNN Money」の記事の中で今回の電子機器の機内持ち込み禁止措置について報じ、匿名の米当局者の話として、中東ならびにアフリカの特定の国々からアメリカに向かうフライトの搭乗客は、大半の電子機器を預け入れ荷物に入れなくてはならないと伝えている。同記事によれば、10数社の航空会社がこの規制を実施する見込みだという。

航空宇宙科学を専門とするメトロポリタン州立大学デンバー校のジェフ・プライス教授は、空港警備の一環として、電子機器への規制が一定の期間強化されるケースは珍しいことではないと話す。



イギリスでは、2006年のロンドン旅客機爆破テロ未遂事件のあと、同様の電子機器持ち込み禁止措置が取られたと伝えられている。爆弾の起爆装置に電子機器が使われたと考えられたためだ。「こうした措置は以前にも取られたことがある。基本的には諜報機関が何らかの情報を入手した、起こりうる脅威に対処するためだ。措置は通常、短期間で終わる」とプライスは話す。

ロイヤル・ヨルダン航空は3月20日午後にツイッター上で、電子機器持ち込み禁止に関する情報を近く発表すると述べた。サウジアラビア航空も同日、ノートパソコンやタブレット端末を持参するアメリカ行きフライトの搭乗客に対して、ツイッターで注意を呼びかけた。


マックス・カンター

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