トランプの娘婿でイバンカの夫、クシュナーの素性
ニューズウィーク日本版 / 2017年3月28日 16時30分
クシュナーは弁護士になるという夢を捨て、2008年に事業を引き継いだ。当時、連邦検事を務めていたクリス・クリスティは、チャールズ・クシュナーの起訴に重要な役割を果たした人物だ。のちにニュージャージー州知事となり、トランプを支持してきたクリスティーが、ホワイトハウスの要職に就いていないのには、こうした背景があるのかもしれない。
2. クシュナーは、トランプのソーシャルメディア戦略を取り仕切ってきた。トランプ陣営の選挙運動を支えてきた重要人物ともされている。トランプ陣営に加入するまで政界での経験はなかったものの、トランプの演説原稿の執筆や、政策チームの編成、選挙運動の資金繰り、トランプのスケジュール管理などに手腕を発揮した。また、トランプのソーシャルメディアのキュレーターを務めたのもクシュナーだった。フォーブス誌によるとトランプは、マクドナルドのフィレオフィッシュを食べながら、自身のフェイスブックページを引き継いでほしいとクシュナーに依頼したという。
妻と違いメディア嫌い
3. クシュナーは社交的とは言えない人物だ。妻と違い、報道機関と話すことを好まない。取材を受けることは滅多になく、ソーシャルメディアにおけるプレゼンスは皆無。クシュナーのツイッター・アカウントに投稿されたツイート数はゼロだ。クシュナーをソーシャルメディアで見かけることがあるとすれば、妻のイバンカが同氏の写真(大抵は子どもといっしょ)を投稿するときだけだ。先ごろニューヨーカー誌に紹介されたクシュナーの横顔によると、同氏はニューヨーク・オブザーバー紙(現「observer.com」)のオーナーでありながらも、「記者や報道機関を心底嫌っている」ようだ。
【参考記事】トランプファミリーの異常な「セレブ」生活
4. クシュナーはハーバード大学で学んだ。クシュナーの入学については、イバンカと結婚する前に調査の対象となっていた。ダニエル・ゴールデンは2006年の著書『The Price of Admission: How America's Ruling Class Buys Its Way into Elite Colleges―and Who Gets Left Outside the Gates(入学の対価:アメリカの支配階級がエリート大学に裏口入学する方法と、それによりはじき出される人々)』によると、クシュナーの父は1998年に250万ドルの寄付をハーバード大学に約束した。クシュナーが入学したのは翌年のことだった。なお、2017年2月には、何千人ものハーバード大学卒業生たちがクシュナーに宛てた公開書簡で、同大学の座右の銘である「ヴェリタス(ラテン語で「真理」の意)」を敬い、「トランプ政権およびトランプ本人に良い影響を及ぼす」よう呼びかけた。
5. クシュナーは正統派ユダヤ教徒だ。妻のイバンカも、結婚前にユダヤ教に改宗した。夫婦と子どもたちは安息日を守り、金曜日の日没から土曜日の日没には携帯電話の電源を切り、クルマにも乗らずに歩いて移動している。
ジャニス・ウィリアムズ
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