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米中首脳会談の結果を、中国はどう受け止めたか?

ニューズウィーク日本版 / 2017年4月10日 6時0分

その割に、トランプ大統領を前にした習近平国家主席の表情は、おもねるように委縮し、いつもの、あの「威張り過ぎた」表情や「満面の笑みサービス」は消え、始終「ともかく泥を塗られても屈辱に耐え、一見、柔和な笑みを絶やさず、トランプ大統領と対等に渡り合っていますよ」という「映像用のポーズ」だけは保つことに全力を注いでいるように映った。

中国共産党中央委員会の習近平総書記としては、何としても、米中首脳会談を輝かしいものとしなければならなかったのである。

米中首脳会談は「大成功!」と中国国内報道

米中首脳会談に関する中国国内における報道は、きらびやかさに満ち、ただひたすら中国の外交勝利を讃えるものに貫かれている。

まず初日の晩餐会に関しては習近平国家主席夫妻とトランプ大統領夫妻が、「いかに互いを尊重して円満な雰囲気の中で行なわれたか」を讃えた。

たとえば中国共産党の管轄下にある中央テレビ局CCTV-1のニュースやCCTV13(最初に15秒間ほどの宣伝がある)をご覧いただきたい。

そこでは概ね、以下のような説明をしている。

――習近平は「トランプ大統領と非常に有意義な会談をおこない、中米関係に関して重要なコンセンサスを持つに至った。われわれは相互尊重と互利互恵の基礎の上に立って、貿易投資や外交安全、サイバー・セキュリティ、人文交流など広範な領域において協力を遂行していくことを確認し合った」と語り、一方、トランプは「習主席の指導のもと、中国が際立った発展を遂げたことを、世界中の人が尊敬し注目している。習近平主席とは初めて会談したが、さまざまな意見を交換することができて、実にすばらしい話し合いを持つことができ、友情深い関係を築くことができた」と述べた。

このように、やたら「晩餐会は実に友好的に雰囲気に溢れていた」と褒めそやした。
CCTV13にあるトランプ大統領の5歳の外孫(イヴァンカさんの娘)が『茉莉花』(モア・リー・ホワ)という歌を中国語で歌った場面は、新華社が特に報道したため、他の多くのメディアが転載した。たとえば「鳳凰網」や「捜狐」などがある。



この歌は中国人民解放軍専属の歌手だった彭麗媛夫人が歌ったことでも有名で、習近平国家主席がまだ浙江省の書記をしていた2005年の春節の宴で歌った映像も残っている(「春節の宴」は日本の「紅白歌合戦」に相当するようなCCTVの恒例行事)。

イヴァンカさんは自分の子供たちに中国語を覚えさせ、今年のワシントンにある中国大使館で春節の催しが開かれたときには、子供たちを連れて中国大使館に行ったこともある。

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