僅差で「独裁」を選択したトルコの過ち
ニューズウィーク日本版 / 2017年4月17日 19時4分
【参考記事】溝が深まるトルコとEUの関係
関係がさらに険悪になったのは、ヨーロッパ在住のトルコ人に対し、トルコの閣僚が改憲賛成を呼び掛ける政治集会を開こうとしたとき。ドイツやオランダなどのEU諸国が治安上の理由からこれを妨害したのだ。エルドアンは憤慨し、「ナチズムだ」と罵倒した。長年EU加盟を追求してきた関係を見直すと息巻いた。
【参考記事】緊張が高まるトルコと西ヨーロッパ諸国
独裁体制の国はそもそもEUに加盟できないが、エルドアンは勝利宣言で死刑制度の復活にも言及した。現実になれば、EU加盟の道はほぼ確実に閉ざされる。
EUも困る。EUは、シリアやイラクの内戦を逃れて欧州に押し寄せる難民をトルコとの合意で引き取ってもらっている。難民が破綻すれば、ヨーロッパは再び難民危機に襲われることになる。民主主義国トルコは、ヨーロッパと中東との間の緩衝地帯だった。
トルコが独裁化し、イスラム化すれば、影響はヨーロッパを通じて世界に及ぶ。
ニューズウィーク日本版ウェブ編集部
-
- 1
- 2
この記事に関連するニュース
-
クルド人の「迫害と弾圧」は今も続いているのか トルコ政府「問題は民族でなくテロ組織」 「移民」と日本人 クルド人が川口を目指す本当の理由④
産経ニュース / 2024年11月27日 11時30分
-
「移民・難民をアフリカへ」知られざる欧州の転換 受け入れの理念から強硬策へ舵を切る国々
東洋経済オンライン / 2024年11月20日 8時0分
-
トランプは威信を懸けてウクライナを停戦させる 「威信」こそがアメリカファーストの根幹だ
東洋経済オンライン / 2024年11月13日 15時0分
-
キリスト教とイスラム教という二つの文明が交錯した、歴史の分岐点を学ぶ──『世界史のリテラシー オスマン帝国は、いかに「中世」を終わらせたか ~コンスタンティノープル征服』が発売
PR TIMES / 2024年11月9日 13時15分
-
モルドバ大統領が再選 勝利宣言、親欧米路線続く
共同通信 / 2024年11月4日 11時3分
ランキング
-
1イスラエル軍がレバノン南部を空爆、「停戦の合意違反に対応」と主張
読売新聞 / 2024年11月30日 13時0分
-
2日本人男児刺殺の男を正式に逮捕 中国警察、殺人容疑で
共同通信 / 2024年11月30日 12時41分
-
3《過激ファッションで物議》カニエ・ウェストと18歳年下妻、「丸出しで愛を誓う」仰天セレモニーを計画 海外メディアが報道
NEWSポストセブン / 2024年11月30日 7時15分
-
4台湾総統が米ハワイへ出発=初外遊で立ち寄り、中国は威嚇
時事通信 / 2024年11月30日 18時47分
-
5焦点:戦闘員数千人失ったヒズボラ、立て直しには膨大な時間とコスト
ロイター / 2024年11月30日 7時52分
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
エラーが発生しました
ページを再読み込みして
ください