インドネシア・ジャカルタ知事選、宗教と生活困難が投票を左右
ニューズウィーク日本版 / 2017年4月20日 15時30分
それは世界第4位の人口を抱え、世界最大のイスラム教徒人口を抱えながらも国是である「多様性の中の統一」という寛容に基づいた結束を標榜するインドネシアがもつ宿命ともいえる問題でもある。
イスラム教を前面に押し出したアニス候補が勝利したことで、イスラム急進派の活動が再び活発になり、今後政治の場だけでなく、あらゆる機会に「イスラム至上主義」を掲げて介入してくる危険性も指摘する声もある。PDIP幹部は選挙結果をみて「イスラム教、インドネシア国民の多様性と寛容が試された選挙といえるが、ここまでイスラム教の影響力が強いとは思わなかった。成熟しかけていたインドネシアの民主化は本物なのか、問われるのはこれからだろう」と感想を漏らした。
[執筆者]
大塚智彦(ジャーナリスト)
PanAsiaNews所属 1957年東京生まれ。国学院大学文学部史学科卒、米ジョージワシントン大学大学院宗教学科中退。1984年毎日新聞社入社、長野支局、東京外信部防衛庁担当などを経てジャカルタ支局長。2000年産経新聞社入社、シンガポール支局長、社会部防衛省担当などを歴任。2014年からPan Asia News所属のフリーランス記者として東南アジアをフィールドに取材活動を続ける。著書に「アジアの中の自衛隊」(東洋経済新報社)、「民主国家への道、ジャカルタ報道2000日」(小学館)など
大塚智彦(PanAsiaNews)
この記事に関連するニュース
-
討論会惨敗のバイデン米大統領のささやかれる「代替候補」、トランプ氏を圧倒しうる著名人とは 「もしトラ」恐れる民主党で議論巻き起こる
47NEWS / 2024年7月15日 10時30分
-
マクロン仏与党と左派、激しく対立 連立交渉不調で〝三つどもえ議会〟なら機能不全も
産経ニュース / 2024年7月8日 20時18分
-
米大統領選テレビ討論会でバイデン高齢不安直撃…民主党「指名撤退」はあるのか?
日刊ゲンダイDIGITAL / 2024年7月3日 9時26分
-
仏下院議会選、極右が首位 与党連合は3位=出口調査
ロイター / 2024年7月1日 7時58分
-
大統領選討論会で大惨事を演じたバイデンを、民主党が差し替える3つの方法
ニューズウィーク日本版 / 2024年6月29日 19時20分
ランキング
-
1「慰安婦」強制連行説は「日韓離間工作の道具」 韓国で像撤去を求める朱玉順氏が批判
産経ニュース / 2024年7月20日 20時26分
-
2キーシン氏を「外国の代理人」指定…「我々はプーチンとその取り巻きより長生きする」とSNS投稿
読売新聞 / 2024年7月20日 17時2分
-
3トランプ氏銃撃、動機は不明 発生1週間、警備当局に批判も
共同通信 / 2024年7月20日 18時47分
-
4バングラデシュ全土に夜間外出禁止令発出へ…政府はネットを遮断、デモ死者105人に
読売新聞 / 2024年7月20日 12時31分
-
5ルワンダ「英に費用返さない」 不法移民の移送計画廃止で
共同通信 / 2024年7月20日 18時16分
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
![](/pc/img/mission/mission_close_icon.png)
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
![](/pc/img/mission/point-loading.png)
エラーが発生しました
ページを再読み込みして
ください
![](/pc/img/mission/mission_close_icon.png)