もう過去の人? ご立派だが面白くなかったオバマの退任後初演説
ニューズウィーク日本版 / 2017年4月25日 21時0分
オバマは勘違いしている。若者が行動するのは誰かにやれと言われたときではなく、自分たちにとって政治が重要な意味を持つと感じたときだ。
【参考記事】フランス大統領選で盛り上がるオバマ・コール!
もちろん、ビル・クリントンが設立して後任のブッシュやオバマが継承したボランティア団体アメリコーであれ、ジョン・F・ケネディ元大統領が立ち上げた援助団体ピースコープであれ、市民が主体の支援活動に道を開くこと自体は素晴らしい。任期中に暗殺されたケネディは退任後のキャリアが閉ざされたが、彼のレガシー(政治的遺産)を守ろうとした人々はハーバード大学ケネディ政治大学院の設立に寄与し、それが米政界の支柱となった。
だが、周囲との会話が足りないとか、若者が選挙に行かない、或いはPTAのような仲介組織が減りつつあるといったどこにでもある問題は、オバマがどんなに熱心に説教したところで簡単に改善はできそうにない。
あと30~40年の余生
オバマも、真の変化をもたらす1つの問題に触れた。演説の冒頭部分だ。選挙区の区割りで特定の政党に有利になるように線引きをする「政治的ゲリマンダー」問題だ。共和党はこの手法を利用して、州議会や連邦議会を牛耳っている。オバマは今後もこの問題の是正のために働き続けると言った。称賛に値する。だがオバマの超党派的な姿勢に比べると、あまりに党派的な問題だ。
厳しい食事制限と運動を日課にするオバマはまだ55歳だから、あと30~40年は「元大統領」としての人生が続きそうだ。そう考えると退任から3カ月後の初めての顔見世だけで、彼のパフォーマンスを判断するのは酷だろう。月曜の演説は魅力的で受けもよかった。人々の心を揺さぶるほどではなかったが。
マシュー・クーパー
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