英国で認知症患者の旅行が人気の兆し
ニューズウィーク日本版 / 2017年5月16日 15時15分
滞在先までの交通手段は、自動車や電車、飛行機など、旅行者が選べる。自動車の場合はマインドフォー・ユーの車で自宅まで迎えに来てくれ、電車や飛行機の場合は、到着地の駅や空港まで迎えに来てくれる。電車に同乗して付き添うことも可能だという。
空港側も認知症旅行者をサポート
一方で公共交通機関も、認知症対応に力を入れ始めているようだ。英国最大の空港であるヒースロー空港と、ロンドン北部郊外にある英国第2位のガトウィック空港は2016年に、認知症にやさしい空港を目指すと発表した。
障害のある人たちの目線から空港の利用可能性について情報を発信しているサイト『リデュースド・モビリティ・ライツ』によると、特にガトウィック空港は2016年、「認知症にやさしいイノベーション賞」を受賞している。
グッドウィル航空相(当時)は、ターミナルの混雑やセキュリティ・チェックなどが原因で、飛行機での移動が認知症の人にとって怖いものである可能性を指摘。そのためガトウィック空港では現場スタッフの80%が認知症関連のトレーニングを受けており、ガトウィック空港自体も認知症介護について英国の全国職業資格レベル2の認定証を導入しているという。
どちらもロンドンの空港だが、こうした動きがあらゆる空港や公共交通機関で広がれば、認知症の人にとって旅行がもっと身近なものになるかもしれない。
なお日本でも、認知症などで介護を必要とする人も楽しめる旅行については、「介護旅行」や「トラベルヘルパー」というキーワードで検索すると、いろいろなサービスがあるようだ。
松丸さとみ
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