メラニア夫人が手つなぎ「拒否」、トランプは弱っている?
ニューズウィーク日本版 / 2017年5月24日 19時32分
であればメラニアは、「階段恐怖症」の夫がまさに助けを必要としている場面で、なぜ冷たい仕打ちをしたのだろうか。トランプは1人で慎重にタラップを降りる羽目になったではないか。
【参考記事】米中ファーストレディのファッション対決、軍配はどちらに
現時点では推測するしかないが、冒頭で「いささか意外」と書いたのは、トランプの手はこれまで、彼の力強さを印象づけることが多かったからだ。
トランプは男性と握手する際、相手の手を強く握り、自分のほうにグイッと引き寄せる傾向がある。握手で自分のペースに持っていくような仕草で、2月に日本の安倍晋三首相が訪米した際には19秒もの長く力強い握手をした。
一方、カナダのジャスティン・トルドー首相は、ホワイトハウスで出迎えたトランプとの最初の握手の際、左手を素早くトランプの肩に置き、相手のペースに飲み込まれるのを防いで、カナダ国民からSNSで賛辞を浴びた。
【参考記事】カナダ人はトランプよりトルドーを支持...とは限らない
トランプに解任されたFBI(米連邦捜査局)のジェームズ・コミー前長官にも、似たような経験がある。ニューヨーク・タイムズによれば、コミーは友人のベンジャミン・ウィッテス(ブルッキングズ研究所上級研究員)に、トランプとのこんなやり取りを語っていたという。
1月、大統領就任直後のことだが、法執行関係者らが集められたホワイトハウスの一室でのこと。FBI長官として大統領と親しくなるべきでないと考えていたコミーは、できるだけ目立たないよう部屋の隅に立っていた。終わりまでトランプに名前を呼ばれないよう願っていたというが、結局、見つかってしまう。
「ああ、それからジムだ」とトランプ。「彼は私よりも有名になった」
仕方なくコミーは、部屋を横断してトランプの元へと歩いていくが、せめてハグはされないようにしようと考え、自ら手を差し出してトランプと握手をした。しかしその瞬間、トランプがグイッと長身のコミーを自分のほうに引き寄せ、結局ハグをする羽目になった。
今回、トランプの手に"反旗を翻した"のは、12年連れ添った妻だ。何が理由なのか真相はわからないままだが、ひとつ言えるのは、トランプのいつもの力強さが見られないことだろう。
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ニューズウィーク日本版ウェブ編集部
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