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新形式TOEIC対策の要は、テクニックに頼らない基礎力の底上げ

ニューズウィーク日本版 / 2017年6月14日 17時0分

【参考記事】新生TOEICで試される、英語コミュニケーションの実力

リーディングの長文読解では文章の区切りに印をつけて、意味のまとまりごとに理解していく「スラッシュリーディング」という手法を重視。「日本人は英語を英語のまま、速く読むというのが苦手。新しい出題形式によってさらに読む量が増えているので、長文全体の内容を素早く捉える力を鍛えるには、今までの意識を変えなければならない」と指摘する。そのため、まずは長文を精読して内容を100%理解した上で、同じ文章を繰り返し読み、スピードを速めていくトレーニングが有効だ。

モチベーションの維持も不可欠

TOEIC L&Rで高得点を狙うには、英語の能力を向上させる地道な努力を怠らないことが大切だ。一方で、加藤氏は「英語力だけで勝負しても思うようにスコアが伸びないこともある。受験スキルを高めるテクニックも不可欠で、この2つのバランスが重要」と強調する。

ここでいうテクニックとは、予測される傾向やパターンを頭に叩き込むこと。例えば、リスニングの写真描写問題なら、この問題にしか出てこない、特有の単語を覚えておくような対策だ。リスニングの会話問題や説明文問題でも、何を問われているのかがすぐに判断できるようにしておくことで、問題にスムーズに解答できるようになる。

【参考記事】最新ビジネス英会話に求められる、ロジカルスピーキングと「おもてなし」

基礎的な英語力やテクニックを身につける上で、不可欠なのがモチベーションの維持だろう。目標設定がある人と、そうでない人では学習に対する姿勢そのものが大きく違う。何点を目指すのかというスコアはもちろん、なぜそのスコアが必要なのか、目標を達成したら何がしたいのかというビジョンがあると、モチベーションを保ちやすい。また、学習成果をしっかりと確認・記録することも役立つ。

例えば、最低でも3回は繰り返さなければならないという対策問題集への取り組み。初めて解いたときに70%しかできなかったのが、2回目の挑戦では85%できたというように、自分の学習成果を確認しながら勉強することも効果がある。もちろん、正解の根拠や重要表現をその都度チェックすることが大切だ。

TOEIC対策の授業風景(写真提供:エッセンス イングリッシュスクール)

「TOEIC L&Rの教材だけで勉強しても、内容に対して興味を持って取り組める人は少ない。だから、教材以外の英語に触れる機会をつくるといい」と言う加藤氏が勧めるのは、英語で楽しめる海外のYouTube動画や、海外ドラマなどを見ることだ。直接的なスコアアップになるわけではないが、学習に対する意識が変わり、英語そのものを純粋に楽しむことができる。さらに、そこで身につけた英語の表現が実際に試験に出てくると、実生活と試験が繋がり、学習に対する意欲が高まる。

最後に、試験に対する心構えについて聞いてみた。「自分の能力以上のものを発揮しようとしないこと。というのも、75分間のリーディングセクションは、ほとんどの人が時間内に最後まで解き終わることができない。そのことを理解していれば、出来る範囲の中で確実に正解を狙っていこうという意識に変わってくる。満点を目指すのでない限り、最後まで解き終わらなくても目標のスコアは達成できる」と、加藤氏はアドバイスする。

英語力を地道に高めていき、確実に正解できる問題を増やすことが何よりの近道。そうすれば、高得点を取るだけでなく、実生活での英語のコミュニケーション能力も向上しているはずだ。

<「キャリアアップ特集」の記事一覧はこちら>

ニューズウィーク日本版ウェブ編集部


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