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身体が不自由な患者の頭をドナーの身体に移植する「頭部移植」が現実に?

ニューズウィーク日本版 / 2017年6月15日 19時31分

【参考記事】プラスチック製「人工子宮」でヒツジの赤ちゃんが正常に発育

カナベーロは本誌に対し、「ラットを使った対照実験でジェミニの有効性を実証できた」と語った。これにより「小規模の原理実証研究」が「基礎的な進歩」をもたらすことが分かったという。



「批判派は、切断した脊髄は回復不能であり、頭部移植は不可能だと主張しているが、スキャンで脊髄の再建が確認された。実験期間中は疼痛症候群もまったく起きず、『死んだほうがまし』という批判派の主張が間違っていることも分かった」

チームはさらに犬で実験を行い、「あらゆる動物に有効」なことを実証するという。数カ月後には結果を発表できると、カナベーロは自信を見せた。

今の予定では人間の頭部移植は12月に中国で実施される。当初はロシア人のワレリー・スピリドノフが第1号の患者になる予定だったが、代わって中国籍の患者に行われることになった。

計画どおり実施されるかについては、カナベーロは明言を避けた。今後発表する論文で移植に伴う別の問題を詳しく論じるという。「世界中のメディアを招いた記者会見で詳細をすべて報告するつもりだ」

人間の頭部移植計画は、カナベーロが最初に発表した時から批判を浴びてきた。ジョンズ・ホプキンズ大学のチャッド・ゴードン教授(神経外科)は2015年にこう語っている。「誰かの脳を別の誰かの脊髄につないで、機能させるなんてとんでもない。その方法が分かるとしても100年先だろう。2年先にできて、移植後に患者が生存し、自発呼吸し、話し、動けるなんて、嘘をつくにもほどがある」












ハンナ・オズボーン


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