18歳少女歌手の衣装・振付に難癖 タイ軍政トップの逆鱗に忖度?
ニューズウィーク日本版 / 2017年6月16日 18時43分
その後の15日にタイ南部のスラッタニーで行われたラムヤイさんのコンサート会場には警察官が派遣され、衣装と踊りを監視する事態となった。ラムヤイさんは原色のビキニというそれまでのステージ衣装から黒のビキニにデニムのジャケットを羽織るという地味な衣装で登場、「トワーク」の回数も減らして踊った。
【参考記事】ペット犬の名は「空軍大将」、タイ次期国王の奇行の数々
その一方で「ラムヤイは本当にタイ文化を破壊しているのだろうか」との声も出ている。
「長いことこのスタイルで歌ってきたラムヤイに罪はない」「衣装の下には下着を付けストッキングをはいているのでわいせつなではない」「権力者の一言に社会が一斉になびくのは不健全だ」などとネット上ではラムヤイ擁護の声が続々と広がっているが「ネット規制強化」をもくろむ軍政にはその声はむしろ逆効果になるかもしれない。
「生活のために恥を忍んで」
ラムヤイさんは学校に通学しながら生活を支えるために夜は得意の歌を歌うバイトをしていた苦学生だった。ところが2016年にショートパンツで左足を大きく上げ、男性に寄りかかるようなステージの写真がネットで拡散、一気に注目を浴びるようになった。
セクシーで過激な衣装と扇情的な振り付けは一部で問題視され、それが原因で通学していた学校を退学に追い込まれたという。
人気が出てきた後にタイのテレビでインタビューを受けたラムヤイさんは衣装について「恥ずかしいけれどこれも仕事です。食べるために、生活のためにやっていることなんです」とその胸中を話していた。
一転して絶賛、首相の真意は
プラユット首相は、自らの苦言を受けてラムヤイさんが衣装と踊りを改善したことに対し「忠告を受け入れて態度を改めるという若者の良い手本を見せてくれた」とラムヤイさんを絶賛。プラユット首相の難癖、改善、評価という一連の騒動を経て、結果としてラムヤイさんの人気がさらに高まり、その名が世界に知られるようになったことだけは間違いない。
ラムヤイさん以外にもセクシー衣装や過激ダンスの歌手はタイにはいるし、歓楽街ではラムヤイさんと同じ18歳前後の女性がビキニ姿でステージに立ち踊っている日常がある。それだけに、なぜラムヤイさんが槍玉にあがり、逆鱗に触れたのか、ラムヤイ騒動とは一体なんだったのか。タイ人も首をかしげる。
ただ一つ間違いないのは、2016年10月13日に死去したプミポン前国王の葬儀を10月26日に控え、プラユット政権は国内治安の安定維持のため、パタヤやプーケットなどの観光地、バンコク市内の歓楽街での風俗取り締まり、麻薬犯罪の取り締まりなどを特に強化している。
この記事に関連するニュース
-
三浦瑠麗氏が岸田首相に苦言「選択的夫婦別氏制度を早期に実現する議員連盟の顧問だったはず…」
東スポWEB / 2024年6月18日 13時50分
-
エムラタ、NY路上を「極小ビキニ」で闊歩する姿にネット騒然 「反トランプ表明」と話題のTシャツ姿も
ニューズウィーク日本版 / 2024年6月4日 19時45分
-
宝鐘マリン『美少女無罪♡パイレーツ』を本家振付師わたが踊ってみた! 元気で笑顔がはじけるキュートな振付に「かわいすぎました」の声
ニコニコニュース / 2024年6月2日 17時0分
-
道端カレン、極小ビキニ姿で美ボディを披露! ホテルでのオフを堪能する様子に「夏らしいですね」
オールアバウト / 2024年6月1日 21時35分
-
「マウンドでユニフォームを脱いで…」話題の内田有紀で思い出される壇蜜の“伝説”始球式
週刊女性PRIME / 2024年5月30日 18時15分
ランキング
-
1登山者を悩ませる「ヒル」、実はジャンプできると判明! 100年の疑問を解決する「決定的瞬間」の動画
ニューズウィーク日本版 / 2024年6月23日 7時0分
-
2米トランプ陣営に120億円 最大支援者の富豪、大統領選でバイデン氏対抗馬に献金連発
産経ニュース / 2024年6月24日 11時7分
-
3台湾の頼総統「専制こそ罪悪」 中国「独立派に死刑」指針を批判
産経ニュース / 2024年6月24日 13時42分
-
4ロシア南部2都市で教会などに銃撃、少なくとも6人死亡
ロイター / 2024年6月24日 7時29分
-
5イスラエル首相、ヒズボラに焦点=ラファ大規模作戦「終わる」
時事通信 / 2024年6月24日 15時40分
複数ページをまたぐ記事です
記事の最終ページでミッション達成してください
![](/pc/img/mission/mission_close_icon.png)