【写真特集】武器展示会のシュールな現実
ニューズウィーク日本版 / 2017年6月22日 18時15分
<兵器の展示会には世界から軍事関係者が多数詰め掛け、出展ブースはビデオゲーム店と間違えそうなほど華やかだ>
一般にはあまり知られていないが、ランジェリーや車と同じように戦車やミサイルも世界各地で展示会が開かれている。「戦争展示会」とも呼ばれ、防衛産業の関係者が数多く詰め掛ける。
私はヨルダン、フランス、カタール、インドを旅し、にぎわう戦争展示会や兵器市場の姿をカメラで捉えた。一般人の入場が厳しく制限された会場では、ミサイルや戦車、ドローン(無人機)、反乱鎮圧用の装備、純金のピストルといった武器が売買される。各国軍人や兵器専門家、招待された関係者、さらにはスパイも多く紛れ込んでいる。
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出展ブースはビデオゲーム店と間違えそうなほど華やかだ。兵器が売られている事実も、さほど重大ではないと思えてくる。だがにぎやかな外見に惑わされてはいけない。グローバルな兵器産業の規模は決して小さくない。
12年の5大武器輸出国・地域はアメリカ、ロシア、中国、ウクライナ、EUだった。同年の世界の軍事支出は推定1兆7560億ドル。世界のGDPの2.5%、世界の人口1人当たり249ドルに相当する数字だ。
力とテクノロジー、そしてカネがものをいう死のマーケットへようこそ――。
ギョーム・エルボ
特殊部隊向けの兵器展示会SOFEXの実演風景(ヨルダン)
兵器・防衛装備展示会ユーロサトリ(パリ)に出展した韓国の防衛関連企業のハンファ
ユーロサトリに出品された仏サーベイコプター社のドローン
インド防衛省が主催する展示会DefExpo
ユーロサトリに展示された外傷手当訓練用の人体模型「トムマニキン」
ユーロサトリに出展したドイツのラインメタル社の戦車
オーストリアのJ・ブラシュケ社のオーナーであるクルト・ハーガー
SOFEX会場でアメリカ製小銃を試す中国の将校
ユーロサトリで屋外実演するフェニックス・エクイップメント社の全地形万能車
フランスのプロテコップ社は警官防護具を実演
DefExpo開会式に臨む各国代表者
SOFEX展示会前の会議
撮影:ギヨーム・エルボ
1970年フランス生まれ。アウシュビッツ、長崎、チェルノブイリ、ウクライナなど歴史的悲劇を体験した場所を取材し、過去の出来事と記憶をフィルムに収め、写真集、展覧会などで発表している。フランスのラジオ番組のプロデュースも手掛けるなど幅広く活躍中
Photographs by Guillaume Herbaut -Institute
[2017年6月22日号掲載]
<「Picture Power」の記事一覧はこちら>
Photographs by GUILLAUME HERBAUT
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