危機不感症に陥った日本を世界の激震が襲う日
ニューズウィーク日本版 / 2017年7月11日 12時0分
さらに6月下旬、サウジアラビアのサルマン国王は息子のムハンマド・ビン・サルマンを皇太子に任命した。トランプの感触を探ってからのことだろうが、ムハンマドの反イラン姿勢や性急な経済改革路線は、サウジ内外の政治・経済を破滅させかねない。王家の内紛やイランとの衝突は、世界の原油供給に危機的影響を及ぼすだろう。
激震続きの国際情勢の中で、日本は能天気に浮遊している。北朝鮮からミサイルが飛んでこなかったことで、危機に対する免疫ができたかのようだ。「悪いことをしなければ、危機など起こるはずがない」というわけだ。北朝鮮のミサイルでさえ、日本を憲法改正に駆り立てる脅威ではなくなった。
【参考記事】「水道民営化」法で、日本の水が危ない!?
安倍政権は加計学園問題で勢いを失った。だが「安倍後はどうなる」と脅してみても、危機不感症の日本人にもう効き目はない。安倍長期政権で日本は良くも悪くもならなかった。信用できる人であれば誰が首相になっても構わない、というわけだ。
足元はすっかり崩れているのに、目に見えるものはこれまでと変わらない――奇妙な浮遊感に日本は覆われている。「仮想現実」ならぬ「仮想安定」を見る者に、つける薬はない。
【お知らせ】ニューズウィーク日本版メルマガリニューアル! ご登録(無料)はこちらから=>>
[2017.7.11号掲載]
河東哲夫(本誌コラムニスト)
-
-
- 1
- 2
-
この記事に関連するニュース
-
全ての危機「終わらせる」=バイデン外交の弱腰批判―トランプ氏
時事通信 / 2024年7月19日 17時24分
-
トランプ氏「強い米国取り戻す」 共和党大会演説 アフガン撤収は「最も恥ずべき出来事」
産経ニュース / 2024年7月19日 13時55分
-
トランプがユダヤ系富豪から巨額献金される事情 タブーを破って米大使館をエルサレム移転
東洋経済オンライン / 2024年7月18日 16時0分
-
トランプ氏が痛烈批判 バイデン氏の「弱腰」外交に根強い懸念 中朝露などの増長招いた
産経ニュース / 2024年7月14日 12時0分
-
イランの核武装への兆候か? イスラエルとの初交戦と大統領墜落死が示すもの
ニューズウィーク日本版 / 2024年6月27日 12時40分
ランキング
-
1空港や鉄道、世界で対応に奔走 豪テレビ、映像素材流せず
共同通信 / 2024年7月19日 20時23分
-
2米サイバーセキュリティー企業CEO、世界的システム障害めぐり「問題を修正、まもなく復旧する」と謝罪
日テレNEWS NNN / 2024年7月19日 22時56分
-
3世界的システム障害、復旧になお数日か 米政権も調査に
ロイター / 2024年7月20日 6時50分
-
4焦点:トランプ氏演説、党のイメージ刷新努力台無し 結局いつもの悪口に
ロイター / 2024年7月19日 18時29分
-
5バイデン撤退論が米民主党で急拡大、要求の議員計35人に 本人は選挙戦継続訴える
産経ニュース / 2024年7月20日 8時41分
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
![](/pc/img/mission/mission_close_icon.png)
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
![](/pc/img/mission/point-loading.png)
エラーが発生しました
ページを再読み込みして
ください
![](/pc/img/mission/mission_close_icon.png)