ポストISIS戦略に残る不安
ニューズウィーク日本版 / 2017年7月10日 11時5分
市民の多くも、新たな治安部隊に疑いの目を向けるかもしれない。治安部隊要員は協議会メンバーと同様、ラッカ市内を離れて暮らしていた。その上、今後ラッカを支配するようになる者が誰であれ、シリア政府やロシア政府に支援を求めて彼らと取引する可能性も排除できない。シリア北部のクルド人グループもかつてそうしたように。
シリア政府の後ろ盾となって戦闘に加わってきたイランもレバノンのイスラム教シーア派武装組織ヒズボラも、ラッカの奪還作戦を静観し、終結をじっと待っていると、イタニは指摘する。そうしながら「シリアにおけるアメリカの野望と戦略がどの程度なのかを見極めている」のだという。
イランもヒズボラも、ISISから奪還した地域で米軍が永続的なプレゼンスを確立しようとする事態は「受け入れられないだろう」と、イタニは言う。
そうなればイランとヒズボラは、米軍とシリア国内の「米軍の手先」に、ゲリラ戦を仕掛けてくるかもしれない。彼らがかつて、イラクで駐留米軍にひそかに攻撃を仕掛けていたときのように。
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[2017.7.11号掲載]
ポール・マクリーリー
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