「米国を再び強く安全に」ボコ・ハラム拉致少女、トランプに訴え
ニューズウィーク日本版 / 2017年7月11日 15時20分
<ナイジェリア北部の村チボックからイスラム過激派ボコ・ハラムに拉致された276人の少女のうち、支援のおかげでアメリカにこられた2人がトランプを訪問。「心を動かされた」トランプは、ナイジェリアに武器を売る?>
「批判されても負けないでください」──先日ホワイトハウスを訪問したナイジェリア出身の少女2人が、ドナルド・トランプ大統領に伝えようとしたことだ。
ジョイ・ビシャーラとリディア・ポグは、混乱や絶望がどんなものなのかをよく知っている。2014年4月、ナイジェリアのイスラム過激派ボコ・ハラムが、同国北部の都市チボックにある学校から拉致した女性生徒276人のなかにいたからだ。
【参考記事】「少女自爆」のボコ・ハラムはISを上回る世界一の殺戮集団
拉致直後の混乱の中で、ビシャーラとポグは、ほかの一部の少女とともに必死に逃走した。ボコ・ハラムの兵士たちが森の中にある潜伏先に連行しようとして女子生徒たちを一斉にトラックに乗り込ませた時に、そこから飛び降りたのだ。チボック・ガールズと呼ばれるようになった女子生徒たちのうち、150名以上が脱出したか解放されたが、113名はいまだに監禁されたままだ。
NGOの招きでアメリカに
ビシャーラとポグは6月27日、ホワイトハウスでトランプと娘のイバンカに面会した。2人の訪問は、世界各国の人身売買に関する米国務省の年次報告書発表に合わせて行われた。ボコ・ハラムは「欧米教育は罪」という意味で、組織のリーダーは2014年に女子生徒たちを拉致した直後、彼女たちを人身売買市場で取引するか、組織の兵士たちと結婚させると公言していた。
【参考記事】血塗られたキリスト教徒狩りが始まった
ホワイトハウスが7月6日に発表した声明によると、トランプもイバンカも、ビシャーラとポグの訪問に「深く心を動かされた」という。ビシャーラとポグは、オレゴン州の全寮制学校「キャニオンビル・クリスチャン・アカデミー」を卒業したばかりだ。ピープル誌が行った2人のインタビューによれば、ビシャーラとポグは当初、バージニア州のキリスト教系NGO「ジュビリー・キャンペーン」の招きで2014年8月にアメリカに来た。
2人は今秋から、フロリダ州のサウスイースタン大学に進学する予定だ。クラウドファンディングで、今夏に2人がナイジェリアに住む両親を訪ねるための旅費を募っており、現在までに約7000ドルが集まった。
ビシャーラとポグはホワイトハウスを訪問した際に、トランプに宛てに書いた手紙を読み上げた。その内容は、アメリカは国の安全をさらに推し進め、他国の模範となるべきだと訴えるものだった。ホワイトハウスは公式サイトでその手紙の抜粋を公開している。
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