エルサレムでの衝突はどこまで広がるのか──パレスチナ・イスラエルで高まる緊張
ニューズウィーク日本版 / 2017年7月23日 2時30分
衝突はエルサレム以外にも拡大している。ラーマッラーやベツレヘム、ヘブロンの検問所周辺では、集まった数百人規模のパレスチナ人が投石するのに対して、イスラエル兵士が催涙ガスや発砲などで応じ、負傷者や逮捕者が出ている。イスラエル軍の発表によると、金曜日の衝突には合計3千人以上のパレスチナが加わったという。もはや第三次インティファーダを思わせる様相だ。
イスラーム教徒の聖地をめぐる対立とあって、今回の騒動はエルサレムやパレスチナ自治区ばかりでなく、世界各地にも連帯行動を呼んでいる。既に報じられているところでは、ヨルダンやトルコ、イエメン、またスウェーデンなどでも抗議デモが起きた。
デモにとどまらず、21日の金曜日の夜にはラーマッラー近郊の入植地で、自治区のパレスチナ人がユダヤ人入植者の家に侵入し、家族3人をナイフで殺傷するという事件も起きた。一見、散発的にも見えるこれらの事件はすべてつながっており、今後は拡大する可能性もある。
錦田愛子(東京外国語大学アジア・アフリカ言語文化研究所准教授)
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