トランプの長女イバンカはLGBTを裏切った
ニューズウィーク日本版 / 2017年7月28日 18時40分
イバンカ・トランプほど影響力のない女性はいない。父親のおかげで分不相応な仕事に就いたのはいいけど、影響力はゼロ
イバンカはLGBTの権利の擁護者を自任するだけでなく、昨年の米大統領選挙中は男女平等や温暖化対策への取り組みを強く支持し、過激な父トランプの説得役になることを期待されていた。だがいざ政権入りしてみると、温暖化対策の新たな枠組み「パリ協定」からの脱退を止められなかった。女性の権利を擁護し人工妊娠中絶や避妊薬の処方などを行う非営利団体「プランド・ペアレントフッド(家族計画連盟)」への連邦補助金の1年停止案も止められなかった。
*LGBTQ=レズビアン、ゲイ、バイセクシャル、トランスジェンダー、クエスチョニング(性的志向が定まっていない人)
イバンカは、男女同一賃金や働く子育て世代に有利な家族休暇の実現も推進していたが、そうした計画も何一つ実現していない。
@IvankaTrump Saddened by silence 4 ur Trans "friends". Friends r people who R there when you r in need, yet U R are silent. Thanks friend:(— jay dworin (@jdworin) 2017年7月27日
イバンカがトランスジェンダーの「友人」に対して沈黙するのは悲しい。友人なら必要な時にそばにいてくれるはずなのに、あなたは黙っている。なんて有難い友人だ
イバンカはトランプがトランスジェンダーの米軍入隊禁止を発表して以降、公の場で発言していないが、裏では挫折を味わっているのだろうか。
【参考記事】イバンカのアパレル工場は時給1ドルのブラック企業だった
イバンカは、4月に米CBSの情報番組「ディス・モーニング」に出演し、アメリカ人は「間違っていることを公然と非難しないまま沈黙すべきでない」と言い、父トランプとの関係を次のように語っている。
「自分の声を相手に届けるには、様々な方法がある。抗議したり、毎晩ニュースを見たり、人と話したり、自分と意見が異なるあらゆる問題を批判したりするのも1つの方法だ。時には穏やかに、相手に面と向かって率直に意見を伝えることもできる。父と意見が対立すると、父もそれが分かっていて、私はすべてを正直に打ち明ける。同意できる部分では父にしっかりと寄り添い、政策を支持することで、父の助けとなり良い影響を与えたいと思う。私はいつも相手の話を聞く父の姿勢を尊敬する」
(翻訳:河原里香)
ジャニス・ウィリアムズ
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