白人至上主義と反対派の衝突事件に陰謀説が浮上?
ニューズウィーク日本版 / 2017年8月14日 18時50分
フェイクニュースに踊らされるな
しかしながら、分断と対立の国アメリカでは様々な意見が出ている。ラジオ番組の人気ホストで右派のアレックス・ジョーンズは、世論が極右への批判一辺倒に偏ることに疑問を投げかける。ジョーンズは9.11同時多発攻撃を内部関係者の犯行だと主張するなど、政府の陰謀説を説くことで知られている。
そして今回の襲撃もリベラル派の策略だと指摘している。ジョーンズは、12日に群衆の中へ自動車で突っ込んだとして逮捕された、オハイオ州モーミー在住のジェームズ・フィールズが、米中央情報局(CIA)に送り込まれたという。
「CIAが群衆めがけて車を進ませた」、「(死亡した警察官が乗っていた)ヘリを墜落させたのはCIA」など、ネット掲示板4chanには、リベラル派の関与を疑う声が溢れている。今回の襲撃事件はリベラル派が仕掛けた、極右への批判の風潮を強めるための策謀という見方のようだ。
【参考記事】オルト・ライト(オルタナ右翼)とは何者か
【参考記事】ネットに広がる「フェイク・ニュース」― 嘘と真実の見分け方とは
オバマのメッセージ
トランプ批判や陰謀説で騒がしいところに、バラク・オバマがメッセージを発信した。衝突の同日、前回のツイートから24日ぶりに突如投稿したのは、反アパルトヘイト闘争の「象徴」の故ネルソン・マンデラ南アフリカ大統領の言葉を引用したものだった。
"No one is born hating another person because of the color of his skin or his background or his religion..." pic.twitter.com/InZ58zkoAm— Barack Obama (@BarackObama) 2017年8月13日
(「肌の色や育ち、宗教で、他人を憎むために生まれた人間などいない。人は憎むことを学ぶのだ。もし憎しみを学べるのなら、愛も学べるだろう。愛は憎しみよりも自然に人間の心に届く。――ネルソン・マンデラ」)
様々な憶測が飛び交っているが、3人が犠牲になったことは事実だ。そしてその3人が戻ることはない。オバマのメッセージが党派や人種を超えて届くよう祈るばかりだ。
【参考記事】フェイクニュースは戦争を起こす?!
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ニューズウィーク日本版ウェブ編集部
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