10日でクビのスカラムッチにも酷評されるトランプ劇場
ニューズウィーク日本版 / 2017年8月26日 17時20分
記者会見中、トランプのそばに立っていたコーン国家経済会議委員長は、後になってトランプの発言に「激怒」し、「あきれ果てた」と語った。「不満どころの話ではない」と言ったとされるケリーは、最も過酷な戦争でもトランプよりは予測も制御もしやすいのかもしれないと思い始めているようだ。
共和党の内部でも、トランプはついに一線を越えたという空気が広がっている。このまま態度を改めなければ、有力議員に見切りをつけられる可能性もある。政権ナンバー2のペンス副大統領は、最近になって腕利きの政治コンサルタントを雇い入れた。早くも20年の大統領選挙をにらんで動き始めたのかもしれない。
【参考記事】トランプ ─ 北朝鮮時代に必読、5分でわかる国際関係論
今年の秋までに辞任?
バノンがホワイトハウスを追われたことは、トランプが既に軌道修正を図っている証拠と言える。共和党内外のエスタブリッシュメント(体制派)との間で深刻なトラブルが発生していることを認識しているのは間違いなさそうだ。
バノンの追放後は、ケリーやコーン、娘婿のクシュナー上級顧問がホワイトハウスを牛耳ることになりそうだ。だが、怒りっぽいトランプの性格は、大統領の仕事に向いているとは思えない。それに今は、ひどく疲れているように見える。
共著者の肩書でトランプの自伝を執筆したトニー・シュウォルツは、今年の秋までにトランプは大統領を辞任すると予言した。だが秋になるまでに、とんでもない騒動がさらに起きることは間違いなさそうだ。
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[2017.8.29号掲載]
サム・ポトリッキオ(本誌コラムニスト)
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