中国の腐敗はどこまでいくのか? 腐敗を取り締る中紀委の財政部トップが取り調べを受ける
ニューズウィーク日本版 / 2017年8月28日 16時15分
その崩壊を防ぐために、習近平は人民に人気のある毛沢東の真似をして、自らを「第二の毛沢東」と位置付けようとしている。そうでもしなければ、やはり一党支配体制は崩壊するからだ。だから日中戦争中に毛沢東が勇猛果敢に日本軍と戦ったという「神話」を創りあげ、それを否定するような言論は絶対に許さない。
中国共産党は政権が崩壊するまで、どんなことがあっても嘘をつき通すだろう。
筆者が『毛沢東 日本軍と共謀した男』で書いた内容を批判したがる日本人が一部にいるが、劉暁波を始め多くの良心的な中国の知識人が、筆者と同じことを論証している。
腐敗と言論弾圧――。
この二つの軸を正視しない限り、習近平政権の真相は見えない。それを大前提としてこそ初めて、第19回党大会の分析に着手することができると確信する。
[執筆者]遠藤 誉
1941年中国生まれ。中国革命戦を経験し1953年に日本帰国。東京福祉大学国際交流センター長、筑波大学名誉教授、理学博士。中国社会科学院社会科学研究所客員研究員・教授などを歴任。著書に『習近平vs.トランプ 世界を制するのは誰か』(飛鳥新社、7月20発売予定)『毛沢東 日本軍と共謀した男』(中文版も)『チャイナ・セブン <紅い皇帝>習近平』『チャイナ・ナイン 中国を動かす9人の男たち』『ネット大国中国 言論をめぐる攻防』など多数。
※当記事はYahoo!ニュース 個人からの転載です。
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遠藤誉(東京福祉大学国際交流センター長)
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