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ロシアが狙う地中海という足場

ニューズウィーク日本版 / 2017年8月31日 15時30分

つまり、ロシアの野望はシリアだけでは終わらないということ。既にエジプトでロシアの特殊部隊が目撃されたという情報もある。リビアで政治的影響力を増大させつつあるハリファ・ハフタル司令官に接近している気配もある。ホーシー派(シーア派の反政府武装勢力)に対するサウジアラビア主導の軍事攻撃で大きな打撃を受けたイエメンにも、ロシアが軍事的に進出できる余地がある。

今のNATOは北のバルト海沿岸諸国などでロシアと厳しく対峙しているが、気が付けば南のほうでロシアが影響力を拡大し、ソ連時代に劣らぬ勢力圏を築き上げているかもしれない。

「プーチンは既にリビアやエジプト、イエメンのような国々で戦略的に好ましい条件を作り出している」と、カサグランデは言う。「ロシアは中東で実に巧みに立ち回り、長い目で見て自分たちに有利な状況を生み出している」

<本誌8月29日号「特集:プーチンの新帝国」から>


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トム・オコナー


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