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東京と地方の文化格差を助長する、都内大学の定員抑制

ニューズウィーク日本版 / 2017年9月7日 14時15分

【参考記事】海外旅行格差から見える日本社会の深い分断

これを是正するために、都内23区の私大の定員増加を禁止する方針が示されている。大学の地方分散を図ることが狙いだが、若者の地域移動をむやみに抑えつけることは、文化の地域格差を固定(拡大)させることにもなる。

中世のヨーロッパでは、若者は教わりたい教師の下に移動し、各地に学びの共同体が出来上がった。これが、大学(University)の原初形態だ。移動とはすなわち「交流」で、都会の大学を出た後Uターンし、学んだ知識やスキルを地元の発展に活かしている若者もいる。大学進学時に若者が移動することは、地域間の文化交流という機能も果たしている。

都市部での大学設置抑制に踏み切る前に、そこで学んだ卒業生(地方出身者)のUターン率などの指標も観察してみる必要がある。

<資料:文科省『学校基本調査報告』>


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舞田敏彦(教育社会学者)


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