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コンゴ・カビラ大統領とルワンダの利権 ----コンゴ中央部、国連とムクウェゲ医師の「忘れられた危機」

ニューズウィーク日本版 / 2017年9月11日 18時0分

その国連に打撃を与える事件が今年3月に発生した。カサイ州での「暴力」の問題を調査していた国連専門家ザイダ・カタラン氏(Zaida Catalan)とマイケル・シャープ氏(Michael Sharp)が、コンゴ人通訳ベツ・ツシンテラ氏(Betu Tshintela)とバイク運転手3名と共に殺害されたのだ。特にカタラン氏はコンゴ政府にとって不都合な情報を収集したらしく、その復讐として斬首され、未だに遺体の頭部が見つかっていない。

【参考記事】コンゴで警察官42人殺害、国連専門家も遺体で発見

国連専門家グループはこれまで、コンゴ以外にもアフガニスタンやイランなどにも派遣されているが、専門家の殺害は今回が初めてであり、国連にとって危機的な問題である。それにもかかわらず、奇妙なことに国連の対応が非常に鈍い。コンゴ政府が彼らを殺害した可能性が高いからなのか。本事件から4カ月後の7月、ようやく国連人権理事会で独立調査委員会の設立が決まった。しかし、本委員会のマンデート(負託)は、被害者が殺害された状況を調査するだけで、加害者の身元確認は含まれていない。

そのMONUSCOが民兵を輸送した可能性や専門家グループの殺害の背景について、米政府がどこまで把握していたかは不明である。しかし、2017年3月下旬、MONUSCOの任務の延長に関する議論の場で、ヘイリー米国連大使は厳しいコメントを発表した。



「国連PKOは、腐敗し、かつ国民を食い物にしているコンゴ政府を支援している」("U.N. peacekeepers in the DRC are aiding a government that is 'corrupt and preys on its citizens")

「国連は、国民に対して略奪行為を行っている政府を支援している。それを終わらせるための品位と常識を持つべきだ」("the U.N. is aiding a government that is inflicting predatory behavior against its own people. We should have the decency and common sense to end this.")(注3)

MONUSCOは悪名高い存在だが、米国という大国の大使がMONUSCOを初めて明白に批判したことは注目に値すべきである。

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