メキシコ地震の被災地で活躍する高齢の「ヒロイン」
ニューズウィーク日本版 / 2017年9月26日 19時12分
<2週間で2度も大地震に襲われたメキシコの災害現場で奮闘する高齢の災害救助犬フリーダ。その仕事ぶりは大統領も認めるほど>
9月7日(現地時間)に南方沖で発生したマグニチュード8.1の地震に続き、19日に中部を震源とするマグニチュード7.1の大きな揺れに襲われたメキシコは、死者300人以上の甚大な被害を受けている。
23日には、マグニチュード6.1の余震が観測されるなど、現地ではいつ来るかわからない揺れと建物の倒壊などの二次災害の恐れが続く。そんな中で救助活動に奔走する「ヒロイン」が注目を集めている。
最初の地震から活動続ける
このヒロインは7歳のメスのラブラドールレトリバーで、名をフリーダと言う。メキシコ海軍に所属する災害救助犬で、7日の地震の被害が大きかった南西部オアハカ州から救助活動を開始した。
仲間のジャーマンシェパードに交じって、まっ白な体に大きなゴーグルとハーネス、肉球を保護するブーツを装着して瓦礫の中を駆け回った。倒壊した建物の下敷きになった地元の警察官らを発見した。
Ecko. Frida. Evil. #SquadGoals pic.twitter.com/AkswkcXWIo— Stands (@Stands) 2017年9月22日
(メキシコ海軍に所属する災害救助犬。真中がフリーダ)
そして息をつく間もなく、メキシコを再び揺れが襲った。19日午後1時15分に発生した地震は、震源から約120キロ離れた首都メキシコシティにも被害をもたらした。崩壊したマンションや小学校で多くの人が生き埋めになり、救助を待った。
フリーダは、地震発生の当日にメキシコシティの現場に入り、児童と大人合わせて25人が死亡した市内のエンリケ・レブサメン小学校の捜索に参加。捜索は翌日も行われた。
ショッピングカートを使った即席のベッドで休むフリーダ Jose Luis Gonzalez-REUTERS
国民的人気により、お札に採用!?
精力的に活動するフリーダだが、年齢には抗えない。フリーダと共に救助に当たるイスラエル・アラウスによれば、フリーダは人間で言えばおよそ50歳。崩壊現場のわずか20インチ(約50センチ)程の隙間を縫っての捜索活動は20分が限界という。アラウスによれば、フリーダは2016年のエクアドル地震の際にも被災地に派遣された経験があるベテラン救助犬だ。
高齢のフリーダの活躍は大きく取り上げられている。英紙ガーディアンによると、メキシコの500ペソ紙幣の絵柄を、画家のディエゴ・リベラからフリーダに変更しようと提案する声もある。
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