トランプの挑発が、戦いたくない金正恩を先制攻撃に追い詰める
ニューズウィーク日本版 / 2017年9月29日 19時0分
「トランプが『ロケットマン』は自殺行為に突き進んでいると言うが、それはむしろ金正恩がいちばんやりたくないことだ」とスナイダーは言う。「トランプはまるで、金を罠にかけて攻撃させようとしているみたいだ」
スナイダーもエインホーンも、トランプが先週国連演説で北朝鮮を完全に破壊すると脅したことは、完全に無用な挑発だったと言う。
「北朝鮮を完全に破壊すると言うなど、前代未聞だ」とエインホーンは言う。「こういう大げさな脅し文句はむしろ、北朝鮮の得意技だ。イランがイスラエルを消滅させると脅す時もこんな言い方をする。アメリカの大統領の言葉ではない」
トランプの挑発で米朝の緊張関係が高まった結果、北朝鮮がアメリカの圧力に屈して態度を軟化させる可能性もなくはないと、スナイダーは言う。だがそれは最高のシナリオであり、ほとんど期待できない。
北朝鮮が核開発をあきらめる確率は、「今この会場で死んだエルビス・プレスリーと偶然会うのと同じくらいだ」と、NATO(北大西洋条約機構)で最高司令官を務めたジェームズ・スタブリディス海軍退役大将は今週、米ペンシルベニア大学で開催されたイベントで言った。
アメリカと北朝鮮の対立を解消するシンプルな解決策などない。だが金正恩は戦争を望んでおらず、逆にトランプの挑発が対北朝鮮関係を悪化させ、孤立した北朝鮮の猜疑心を駆り立てているという見方で、大方の専門家は一致する。トランプは北朝鮮が先制攻撃するようけしかけているようにも見え、その日は刻一刻と近づいている。
(翻訳:河原里香)
ジョン・ホルティワンガー
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