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受験地獄は過去の遺物、今や合格率93%の「大学全入時代」

ニューズウィーク日本版 / 2017年10月5日 15時0分

大学進学人口(18歳人口)の減少と「予備校離れ」のダブルパンチは大きい。公務員試験予備校などへ鞍替えするケースもあるというが、事業の多角化を図らなければ生き残りも難しくなる。2014年に、大手予備校が校舎の大量閉鎖に踏み切ったのは記憶に新しい。

状況が厳しいのは大学も同じだ。来年から18歳人口が急減する「2018年問題」に関係者はおののいている。今の大学進学率(50%程度)が上がらない場合、2030年頃には少なからぬ大学が倒産するとみられる。

ベースの18歳人口が減るので、現在の入学者数を維持することは進学率が60%、70%にならないとできないが、今後どう推移するかは未知数だ。

大学がそれ自体の維持存続のために、進学率の上昇をあおるようなことはするべきではない。18歳時に大学への進学が強制される社会は健全とはいえない。顧客に広げるべきは、青少年ではなく大人だ。間もなく人口比が「子ども1:大人9」の社会になるが、やせ細っていく子ども人口を奪い合うのは見苦しい。彼らの人生にも悪影響を及ぼす。

青年期の教育機関から、大人の学びのセンターとしての存在に変わることができるか。日本社会の人口動態は大学に対して、未来形の姿への変身を求めている。

<資料:文科省『学校基本調査報告書』>


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舞田敏彦(教育社会学者)


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