1. トップ
  2. 新着ニュース
  3. 国際
  4. 国際総合

自転車大国オランダ、信号機を消してみたら起きたこと...

ニューズウィーク日本版 / 2017年10月10日 18時30分

実際に信号がオフになった際に、ガーディアンは試験前と同様に150人にインタビューした。すると、この交差点が嫌だと言った人が減っただけでなく、60%の人が、交差点での交通が改善したと答えたという。さらに、「人がもっと注意を払うようになった」、「自然と、自分たちで調整し合うようになったのがすごい」、「ちょっと怖いけど、止まる必要もないし、機嫌が悪い人もいない」と、人間同士のやり取りに関してコメントをする人が多かったことが目立ったという。

交差点に差し掛かると、ほとんどのサイクリストはスピードを落とし、他のサイクリストや自動車とアイコンタクトやジェスチャー、顔の表情、言葉などで合図を送り合った。交差点を通る他の人たちと譲ったり譲られたりといった感じで、摩擦は見られなかったという。



過去には、オランダの人口5万人の小さな町ドラハテンで同様に、試験的に信号を撤去したら良好だったため、2006年に完全に撤去したという実績がある(ただしこの時は代わりにラウンドアバウト/環状交差点を採用した)。

自転車が主要な街ではないが、オランダを真似て交差点の信号を取り払ったら、交通がスムーズになったり事故が減ったという実験結果は、ドイツ(2008年)や英国(2009年)でもあったようだ。

今回は首都で、しかも交通量の多い交差点での実験だった。ピーター・リチェンス副市長(交通担当)は、「今回(アレクサンダープレイン)の実験から、より少ない規制が責任につながり、道路を使用する人たちが注意深くなるということが分かった」と成果を述べている。

試験的運用があまりにもうまくいったので、アレクサンダープレインの信号は数カ月間にわたる試験が終了した後、完全に取り払われた。これを機に、アムステルダム市は交差点の信号撤去を市内の他の場所にも拡大する方向だという。

Traffic in the city


松丸さとみ


この記事に関連するニュース

トピックスRSS

ランキング

記事ミッション中・・・

10秒滞在

記事にリアクションする

記事ミッション中・・・

10秒滞在

記事にリアクションする

デイリー: 参加する
ウィークリー: 参加する
マンスリー: 参加する
10秒滞在

記事にリアクションする

次の記事を探す

エラーが発生しました

ページを再読み込みして
ください