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知られざる小池百合子の濃厚アラブ人脈

ニューズウィーク日本版 / 2017年10月24日 17時0分

ただ現在の政局を鑑みると、こんな懸念も出てくる。小池は以前、民主党政権時代に中東外交の存在感がほぼ失われてしまったと真っ向から糾弾していた。中東関係者の間では今、その民進党と「希望の党」が合流する事態に一抹の不安を覚える向きもある。



また根っからの右翼人だった父の影響もあって「保守」「タカ派」として知られる小池は、中国や北朝鮮に対しては辛辣な姿勢を見せてきた。朝鮮学校無償化の問題では「絶対反対!」とツイートし、10年に尖閣諸島付近で起きた中国漁船衝突事件では「例の中国船長釈放は誰が決めたのか? 責任者でてきなさい!」と牽制した。

アラブ諸国との親密さに比べ、東アジア問題で感情的とも取れる厳しい立場を露骨に打ち出していることに、政治家として外交的バランス感覚を疑問視する声が出てきてもおかしくない。

いずれにしても、小池はアラブ諸国とは近く、アラブ側もそんな小池に期待を寄せている。小池と交流のあるカイロ大学のアーデル・アミン・サーレ教授は、小池が首相になれば「日本とアラブ諸国の関係はこれまで以上によくなると思う」と言う。

小池が目指すのは「初の女性首相」との見方は根強い。それが事実なら、彼女の中には既にしたたかな計算があるだろう。小池政治が力を持つことになれば、日本とアラブ諸国の関係が大きく変わるのは間違いない。

その変化が、全ての面で日本の国益にプラスになるものかどうかは、まだ分からないが。


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[2017.10.17号掲載]
山田敏弘(ジャーナリスト)


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