ロシア疑惑で初の容疑者拘束か トランプ周辺の怪しい人リスト
ニューズウィーク日本版 / 2017年10月30日 19時4分
トランプ・ジュニアもクシュナーもマナフォートも、自分たちはロシア政府と共謀したのではないとして、疑惑を否定した。トランプ・ジュニアはベセルニツカヤ弁護士について、彼女はロシアの養子縁組制度について協議したかっただけで、クリントンに不利な情報は一切持っていなかったと言った。
だが米情報機関は、ロシア政府が米大統領選でトランプの勝利に貢献したという見方を崩していない。事実、トランプ・ジュニアは仲介者からのメールで、ロシア政府による「トランプへの支援」やクリントンに不利な情報の提供を持ちかけられると、「素晴らしい」と歓迎した。トランプ・ジュニアはその後、一連のメールのやり取りを自ら公開し、自分には隠し立てがなく無実である証拠だと主張した。
訴追は免れる?
それ以降、トランプ・ジュニアとクシュナーは捜査チームによる事情聴取を受けているが、ロシア政府と共謀したことは一切ないとして、疑惑を否定している。
今のところ、2人ともムラーの訴追対象ではないとする見方が大勢だ。だがトランプタワーで面会に応じた事実があるため、ロシア疑惑の捜査が打ち切られない限り、マナフォートの疑惑に関する捜査対象になるはずだ。
一方、ベセルニツカヤ.も、トランプ・ジュニアらとの面会は、ロシア政府とトランプ陣営が共謀したとされる疑惑とは無関係だと主張している。だがニューヨーク・タイムズは10月27日、ロシア政府の有力な関係者が事前にベセルニツカヤと面会内容について打ち合わせを行い、彼女の案を了承したもようだと報じた。たとえ今回トランプ陣営のすべての側近が訴追を逃れたとしても、この面会の事実は、今後もしばらく捜査対象になりそうだ。
(翻訳:河原里香)
ジェイソン・シルバースタイン、マックス・カトナー
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