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「若ハゲ」と「若白髪」の心臓病リスクは5倍以上

ニューズウィーク日本版 / 2017年12月4日 17時20分

<早すぎる「ハゲ」と「白髪」。生物学的年齢に基づいた要素は健康リスクの判断に有用な可能性がある>

多くの男性が避けたい「若ハゲ」。11月30日に発表されたインド心臓病学会による最新の研究で、そんな「若ハゲ」に追い打ちをかけるような結果が報告されている。

欧州心臓学会(ESC)が掲載したレポートによると、2000人以上のインド人男性をサンプルに実施されたこの研究で示されたのは、早くして髪が抜け落ちた人そして白髪になった人と冠動脈疾患との関係。これらの男性は、動脈に隆起(プラーク)が発生し、冠動脈疾患になるリスクが高いという。プラークは心臓発作の原因にもなり得る。

研究は、40歳以下の冠動脈疾患を患う790人の男性と健康な男性1270人が対象。血液検査や病歴、心臓の検査結果などを実施し点数化したうえで、毛髪の抜け落ち具合で3つのグループに振り分けた。その結果、点数が高く冠動脈疾患のリスクが高いほど毛髪が少なかった。さらに白髪の状態についても調べると、白髪が多いほど同様にリスクも増すという結果だった。

若ハゲのリスクは5.6倍

髪の毛が抜けた男性のリスクは、通常の5.6倍に跳ね上がるという。一方、早くして髪の毛の色素を失って白髪になると5.3倍になる。これら2つの要因は肥満よりも心臓病の予測因子になると報告されている。

研究を行ったインドのU.N.メータ心臓病研究センターのカマル・シャルマ博士は「禿頭症と早発性灰色化(白髪)は冠動脈疾患の危険因子と考えられるべきだ」と主張している。ESCのニュースリリースによれば「2つの要因は実年齢よりも生物学的な年齢を示すものであり、心臓の健康リスクの判断に有用な可能性がある」。




ただ、研究はまだ始まったばかり。シャルマ博士も病気のリスクを判断するためには、より多くの研究サンプルが必要になると考えているし、米CBSは毛髪と冠動脈疾患の因果関係を心配するのは時期尚早というアメリカの心臓専門医の見解を伝えている。

ニューヨーク州ロングアイランドの病院に勤務するデビッド・フリードマン博士はこのレポートを読んだうえでサンプルの人種が偏っていることを指摘。関連性を解明するためには「さまざまな人種に対象を広げる必要がある」との見方を示した。

今回は毛髪に自信のない男性にショックを与える内容だったが、肥満も健康リスクであることには変わりない。本誌米国版ウェブによれば、米保健福祉省は過剰な体重がコレステロール値や血圧を高め糖尿病など他の病気にかかる危険性を増大させると説き続けてきた。

毛髪、白髪、肥満が気になるなら、悲観せずまずは体重管理から始めるのが得策だろう。


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ニューズウィーク日本版ウェブ編集部

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