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アラバマ州の貧困は先進国で最悪──国連

ニューズウィーク日本版 / 2017年12月14日 17時30分

米ニューヨーク大学の教授(法律)でもあるアルストンは、今回の調査開始を発表した声明で、アメリカの貧困問題はあまりに長い間放置されてきたと言った。



「極度の貧困と人権状況の調査を行う国連特別報告者が、なぜアメリカのような豊かな国を視察するのかと、疑問に思う人がいるかもしれない」とアルストンは言う。「アメリカには莫大な富がある一方、すさまじい貧困や不平等も存在する」

アメリカは、国連が他国の人権問題を調べるのを「非常に積極的に支持してきた」とも、アルストンは指摘する。

「今こそ、アメリカの現状に目を向ける時だ」「豊かなはずのアメリカに、極度の貧困が存在する。そのことが、人権状況に重大な影を落としている」

米議会上下両院で多数派を占める与党共和党は今、こうした格差にもかかわらず、法人税と所得税の減税を目玉とする税制改革法案の年内可決を目指している。実施されれば、今後10年間で財政赤字が1兆ドル増える見通しだ。その穴埋めとして、共和党指導部は社会保障費をさらに削減すると言っている。

アルストンに言わせれば、そうした政治決定こそ、アメリカに組織的な貧困を根付かせる元凶だ。

「人権とは、人が基本的な尊厳を保てること。国民がきちんとした暮らしから落ちこぼれないように保証するのは、政府の役目だ」とアルストンは言う。「文明社会は、貧困に陥った人を自業自得だと言って見捨てたりしない」

(翻訳:河原里香)



カルロス・バレステロス


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