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朝鮮半島で戦争が起きれば、中国とロシアはアメリカの敵になる

ニューズウィーク日本版 / 2017年12月19日 19時5分



米軍は9月、予定していた6基のTHAADの韓国配備を完了した。米国防総省は、北朝鮮のミサイル攻撃から同盟国である韓国を防衛するためにTHAADが必要との立場だが、中国とロシアは自国の国家安全保障上の脅威になるとして配備に反対してきた。しかし、北朝鮮への軍事的圧力を強めるトランプは、情勢が緊迫する朝鮮半島周辺に空母や戦略爆撃機を続々と派遣し、軍事演習も大幅に増やすなどして、中国とロシアを激怒させた。

1950年代初頭、建国間もない北朝鮮と韓国の間で朝鮮戦争が勃発した時、中国とロシア(旧ソ連)は共産主義国である北朝鮮軍を、アメリカをはじめとする国連軍は韓国軍をそれぞれ支援した。3年に及ぶ戦争には、米ソ冷戦における最初の代理戦争という側面もあった。1953年に休戦協定が締結され、北緯38度線を休戦ラインとして、南北軍事境界線に沿った「非武装地帯(DMZ)」が設定された。和平協定はいまだに締結されていない。

国連に制裁を科されても、金は父や祖父の代から引き継いだ核開発を一段と加速させている。中国の習近平国家主席とロシアのウラジーミル・プーチン大統領は、自国の軍事力と政治的影響力を世界に拡大させるため、歴史的な軍備増強を行っている。トランプは12月18日に発表した「米国第一」主義に基づく国家安全保障戦略のなかで、核武装した北朝鮮を「ならず者国家」と非難。中国とロシアについても「アメリカの安全や繁栄を脅かそうとしている」と言って対抗姿勢を匂わせた。

(翻訳:河原里香)


トム・オコナー


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