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エルサレム首都認定と恫喝外交、暴走トランプを誰も止められない - 冷泉彰彦 プリンストン発 日本/アメリカ 新時代

ニューズウィーク日本版 / 2017年12月26日 15時40分

2つ目は議会の姿勢です。本来ならば、ここまで極端な恫喝外交、しかも副作用の大きい政策には、議会の厳しいチェックが入るはずです。ですが、この間の議会は歴史的な減税法案の審議が最優先であり、共和党の穏健派も大統領と共調し、大統領に「意見する」雰囲気ではなかったようです。

また、そもそも「エルサレムをイスラエルの首都とする」という政治的なポーズについては、90年代に議会が可決している話であり、そもそも反対ができなかったということもあるでしょう。1995年の米議会決議について言えば、93年の「オスロ合意」でイスラエル=パレスチナ2国家体制の枠組み合意ができた後、その交渉が停滞する中でアメリカ内の「親イスラエル的な」世論を反映して可決されたものです。その後、クリントン、ブッシュ、オバマの3人の大統領が承認しなかったために法律化されていませんでした。

仮にそうした経緯があったにせよ、この種の稚拙な恫喝外交に利用するとなると、上下両院の外交や軍事のプロとしては「そのまま見過ごす」ことは普通考えられないのですが、タイミング的に大統領に突っ走られたのだと考えられます。

そうこうするうちにアメリカはクリスマス休暇に入って、国内の報道も静かになってしまいました。


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