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日本のイージス・アショアは北朝鮮攻撃に使われる恐れ──ラブロフ露外相

ニューズウィーク日本版 / 2018年1月16日 15時4分

<いくら日本が自衛用のミサイル迎撃システムだと主張しても、実際に運用するのはアメリカになるはずだ、とラブロフ。その論理だと、攻撃対象にされる可能性も?>

ロシアのセルゲイ・ラブロフ外相は1月15日、日本が北朝鮮の脅威に対抗して導入を決めた米国の地上配備型弾道ミサイル迎撃システム「イージス・アショア」は、北朝鮮への攻撃に使われる恐れがあると警告した。

ラブロフは年次記者会見で、日本が2017年12月に選定した陸上配備型イージス(レーダー基地と迎撃ミサイル)は、攻撃用に使用されることもあり得ると発言。システムの運用や管理に米国が関与しないという主張は疑わしく、導入はロシアと日本の関係に緊張をもたらすという認識を示した。

日本政府は12月、イージス・アショア2基の導入を決定。その際に小野寺五典防衛大臣は、「北朝鮮による核ミサイルの開発は、日本に新たなレベルの脅威をもたらしている。日本はこれまで通り、自国を守らなければならない。そのためには、弾道ミサイル防衛システムの抜本的な改善が必要だ」と説明した。

ロイター通信が関係筋から得た情報によれば、イージス・アショア2基の導入には、ミサイル抜きの値段で少なくとも20億ドルかかる見込みであり、稼働開始は2023年以降になる可能性が高いという。

北朝鮮は2017年11月29日、初めてICBM(大陸間弾道ミサイル)とみられる強力なミサイルを発射した。日本の防衛範囲を越え、同盟国である米国を攻撃することも可能だと伝えられている。この後、日本政府はイージス・アショアの導入を決めた。

緊張を煽るアメリカ

ラブロフによれば、米国とその同盟国は昨年から、外交問題を複雑化させているという。

「彼らはあらゆる国際問題を自らのシナリオ通りに解決するため、世界規模でミサイル防衛システムを配備したり、一方的に制裁を科したり、自国の法律を域外に適用して脅したり、さまざまな手段を駆使している」

ラブロフはさらに、アメリカの脅しは北朝鮮および世界各地の緊張関係を「著しく悪化させている」と付け加えた。

朝鮮半島の問題に関わる主要国の中で、ロシアは北朝鮮と最も良好な関係を築いている。

(翻訳:ガリレオ)

ジェシカ・クウォン

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