平昌五輪で平和攻勢かける北朝鮮、邪魔するアメリカ
ニューズウィーク日本版 / 2018年2月8日 20時0分
トランプ政権が北朝鮮の核関連施設などを限定先制攻撃して機先を制す「ブラッディ・ノーズ(鼻血)」作戦を検討中、とする報道にも、北朝鮮は猛反発している。ただしこの作戦をめぐっては、トランプ政権内や専門家の間でも意見が対立しているようだ。1年以上空席が続く駐韓米大使の有力候補だった北朝鮮専門家、ビクター・チャは、この作戦に否定的だったために自分は指名を外された、とする見方を示した。
北朝鮮は格別の影響力を持つとされる金正恩の実妹、金与正(キム・ヨジョン)と高位級代表団を、平昌オリンピックに合わせて韓国に派遣すると発表し、ドナルド・トランプ米大統領が言う「最大限の圧力」より対話重視の韓国もこれを歓迎した。北朝鮮は数百人の美女応援団と楽団も韓国に送り込んだ。
そして明日に平昌オリンピック開幕を控えた2月8日。故金日成主席による朝鮮人民軍の創建記念日だとして、恐れられていた軍事パレードを北朝鮮が行った。だが、パレードの規模は予想されたほどではなく、生放送もされなかった。これは、非核化はいやだが本気で平和を望んでいる、という北朝鮮のメッセージなのか。アメリカはそれをどう受け止めるのか。明日からの外交ゲームの展開を見守ろう。
(翻訳:河原里香)
トム・オコナー
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