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ヒツジがヒトの臓器工場になる日

ニューズウィーク日本版 / 2018年2月20日 13時55分

次のステップは、サイズを大きくして人間の臓器でこのアプローチを試すことだ。研究者たちは、膵臓を持たないヒツジをつくり、人間のDNAでその空間を埋めることができるかどうかを調べている。



だがロンドンのフランシス・クリック研究所のロビン・ラベルバッジは、懸念の声をあげている。

「ヒツジの膵臓の細胞型を全て人間の細胞に置き換えることに成功したとしても、膵臓内の血管はヒツジ由来のものになる」と彼は指摘する。「これらの臓器を人間に移植して、拒絶反応を完全に抑えることができるはずがない」

現在、研究チームが受精卵の培養を行なえるのは最大28日まで。研究者たちは、これを最大70日に延ばせば、より説得力のある結果がもたらされる可能性があると言っている。人間とヒツジのハイブリッドをつくるのは、ラットとマウスの場合よりも難しいと中内は言う。

中内は、キメラ技術の成功に大きな期待を寄せている。「5年あるいは10年かかる可能性もあるが、最終的には人間とヒツジのハイブリッドをつくることができるようになると考えている」

(翻訳:森美歩)

キャサリン・ヒグネット(科学担当)


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