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トランプの「理性なき貿易理論」にEUお手上げ──貿易戦争に突入か

ニューズウィーク日本版 / 2018年3月5日 17時40分

<鉄鋼やアルミへの輸入関税を発表したトランプ米大統領。同盟諸国からも上がる反発にも挑発ツイートで応じている>

ドナルド・トランプ米大統領が打ち出した鉄鋼やアルミ製品への高い関税(それぞれ25%と10%)に、EUなどの同盟諸国は報復関税で対抗するとカンカンだ。そこにトランプはこうツイートした。「できるものならやってみろ」

本気で貿易戦争に火を付けるつもりなのか。トランプは3月3日、EUが報復するならEUからの輸入車に関税をかけると脅しをかけた。

フロリダ州にある別荘「マールアラーゴ」からトランプが発信した連続ツイートは、反発する諸外国の指導者たちへの回答だったとみられる。例えばカナダは、「通商上の利益と労働者を守るために対応措置を取る」と言っている。直接の標的とされる中国も、王毅外相が3日、「米国のやり方は根拠がない」と非難した。

トランプが「(貿易戦争になれば)簡単に勝てる」と言い放った直後には、欧州委員会のジャンクロード・ユンケル委員長がリーバイ・ストラウスのジーンズやバーボンウイスキーなどのアメリカを代表するブランドを標的にした輸入制限もその気になればできると言った。「とても理性的な方法とは言えないが、相手が理性的でないならやむをえない」と、ユンケルは言った。

ところが、最大の同盟相手であるEUに対するトランプの返答はこうだ。

「EUが今以上に高い関税や非関税障壁を設けるというなら、われわれはアメリカに流入し放題の欧州車に税金をかけるだけだ」とトランプはツイートした。ワシントン・ポストによれば、アメリカへの輸入乗用車の関税は2.5%だが、EUは輸入乗用車に10%の関税をかけているという。

If the E.U. wants to further increase their already massive tariffs and barriers on U.S. companies doing business there, we will simply apply a Tax on their Cars which freely pour into the U.S. They make it impossible for our cars (and more) to sell there. Big trade imbalance!— Donald J. Trump (@realDonaldTrump) 2018年3月3日

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