「北の最強兵器」金正恩の妹・金与正が直接対話のために渡米する?
ニューズウィーク日本版 / 2018年3月8日 15時50分
<金王朝の「プリンセス」のほほ笑み外交は、アメリカでも展開されるのか>
ピョンチャン(平昌)冬季五輪前から急展開を見せている北朝鮮問題。およそ2年ぶりとなった南北高官級会談にはじまり、合同チームでのオリンピック参加、韓国特使団の北朝鮮訪問と、この2カ月あまりで韓国と北朝鮮は急速に距離を縮めている。今度は、北朝鮮とアメリカの直接対話が現実味を帯びてきた。
香港英字紙サウスチャイナ・モーニングポストは韓国の外交情報筋の話として、国家安全保障室の鄭義溶(チョン・ウィヨン)室長が、金正恩(キム・ジョンウン)国務委員長の妹の金与正(ヨジョン)の訪米を米政府関係者に提案する可能性を報じた。
鄭義溶はワシントンで事前交渉か
鄭義溶は、韓国の情報機関である国家情報院(NIS)の徐薫(ソ・フン)院長とともに3月8日にアメリカ入りする。2人とも3月5日に北朝鮮に派遣された特使団のメンバーで、南北高官級会談について米政府に報告する予定だ。ワシントンでH・R・マクマスター大統領補佐官(国家安全保障担当)やマイク・ポンペオ米中央情報局(CIA)長官と会談すると伝えられている。
鄭義溶は、北朝鮮とアメリカの二国間対話を始めるための北朝鮮側の条件を米政府関係者に伝えることになっているが、与正の訪米もこれに含まれるものとみられる。
同紙によると金正恩は南北高官級会談の際にアメリカに対する「あるメッセージ」を韓国特使団に託したという。内容は明らかでないが、このメッセージはトランプ政権に直接届けられる。アメリカがこのメッセージを公表するかどうかは分らないが、これは非常に稀なことだ。
情報筋はこう指摘する。「金正恩が妹の与正を韓国に送ったように、ワシントンにも送ろうとしているのかもしれない。与正はいま、北朝鮮にとって最強の武器だ」
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ニューズウィーク日本版ウェブ編集部
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