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イ・ランの『イムジン河』──ボーダーを、言葉を越えて、幾重にも折り重なった意味に思いを馳せる

ニューズウィーク日本版 / 2018年3月13日 15時30分

いや、音楽とはもともとそういうものだったのかもしれない。そして、イ・ランはそういうアーティストだ。3月には来日ライブが予定されているという。

【追記】
この記事を出した後、現在ソウルで個展「Imjingawa」を開催中の韓国の現代美術作家、ナム・ファヨン(Hwayeon Nam)を通じて、イ・ランがこの歌と出会ったことを知った。同展のメインとなる映像作品《Imjingawa》は、動画サイトを通じてザ・フォーク・クルセダーズの曲を知り興味を持ったナム・ファヨンが、日本でリサーチとインタビュー重ねたうえで制作したもの。この映像のために女性の声を探していた彼女の依頼により、イ・ランが朝鮮語と日本語で歌って録音したのがきっかけだ。

北朝鮮から日本へ、そして半世紀を経て、こうして韓国から届いた一連のリアクションに、改めて歌の持つ力を思う。その後、イ・ラン本人ともやり取りした(ひとつ重要な確認として、手話は「韓国手話」である)。機会があれば改めて紹介したい。 ⇒インタビューしました(〈上〉・〈下〉)。

[執筆者]韓東賢(はん・とんひょん)
日本映画大学准教授(社会学)。大学まで16年間、朝鮮学校に通う。卒業後、朝鮮新報記者を経て立教大学大学院、東京大学大学院で学び、現職。専攻は社会学。専門はナショナリズムとエスニシティ、マイノリティ・マジョリティの関係やアイデンティティの問題など。主なフィールドは在日外国人問題とその周辺、とくに朝鮮学校とそのコミュニティの在日朝鮮人。最近は韓国エンタメにも関心。著書に『チマ・チョゴリ制服の民族誌』(双風舎,2006 *現在は電子版発売中)『平成史【増補新版】』(共著,河出書房新社,2014)『社会の芸術/芸術という社会』(共著,フィルムアート社,2016)など。



韓東賢(日本映画大学准教授)


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