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獄中で首を吊ったアーロン・ヘルナンデスはゲイだった?

ニューズウィーク日本版 / 2018年3月20日 16時54分

<わずか27年の一生の間に天国と地獄の両方を激しく行き来したNFLプレーヤーについて、新説が明かされた>

2017年4月に獄中で自殺した全米プロフットボールリーグ(NFL)「ニューイングランド・ペイトリオッツ」の元スター選手アーロン・ヘルナンデス(享年27歳)に関するドキュメンタリー番組が放送された。それによれば、殺人罪で終身刑に服していたヘルナンデスは、ある秘密を抱えていたようだ。

【参考記事】首を吊った元NFLスター、アーロン・ヘルナンデスは精神変容ドラッグ「スパイス」に侵されていた?

3月17日と18日の2回にわたって放送されたドキュメンタリー番組「Aaron Hernandez Uncovered(アーロン・ヘルナンデスの真実)」には、ヘルナンデスと生前親しかった人が多く出演し、彼が同性愛者であったことを明らかにしたほか、自らの性的指向についての苦しみが、暴力の原因だったかもしれないと述べた。

ヘルナンデスの元恋人アリッサ・アンダーソンは番組内で、2人がともにフロリダ大学の学生だったころを振り返り、ヘルナンデスが男性と関係を持っているという噂を耳にしたことがあると語った。アンダーソンによれば、ヘルナンデスはそれを何度も否定したという。しかし、殺人事件の公判の最中である2013年に、アンダーソンが手紙で連絡した際、ヘルナンデスは幼いころの恐ろしい体験の詳細を明らかにした。

「最初の殺人の裁判が終盤に差しかかり、次の殺人(のちに無罪)の裁判が近づいてくると、手紙の内容は激しさを増した」とアンダーソンは言う。「彼は、幼いころに体験したつらい出来事を打ち明けるようになった。子どものときに性的ないたずらをされたことを認めたが、治療などは行わなかった」。そうした経験が「彼の性的指向の悩みにつながったと思う」と、アンダーソンは語った。

計り知れない苦しみ

ヘルナンデスの弁護団の一員で、同性愛者であることを公表しているジョージ・リオンタイアも、ヘルナンデスと交わした個人的な会話について振り返った。ヘルナンデスの性的指向についてもたくさん話し合ったという。「彼は確かに同性愛者だった」とレオンタイアは言う。「彼はそれを認めていた。計り知れないほどの苦みだったと言っていた」

ヘルナンデスは同性愛者に対してひどく否定的な環境で育ったせいで、自己嫌悪にも苦しんでいたのだと思う、とリオンタイアは言う。

ヘルナンデスは、2015年4月にオーディン・ロイドを殺害した罪で終身刑を言い渡されたが、それ以前にシャイアナ・ジェンキンスと婚約していた(ヘルナンデスとジェンキンスの間には、アビエル・ジャネルという娘がいる)。

ヘルナンデスが2017年4月に独房の窓にシーツをひっかけて首をつって死んでいるのが発見された後で、ジェンキンスは米トークショー「ドクター・フィル」に出演した。そのとき彼女は、「同性愛者だというのは本当なのか」とヘルナンデスに尋ねたが、彼は「違う」と答えたと言っていた。

ジェンキンスは今回のドキュメンタリー番組内で、ヘルナンデスの本当の性的指向については、いまだに「困惑を覚えている」と発言している。

(翻訳:ガリレオ)

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ジャニス・ウィリアムス

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