1. トップ
  2. 新着ニュース
  3. 国際
  4. 国際総合

中朝首脳会談から見る非核化問題──機密解除された外交文書から

ニューズウィーク日本版 / 2018年3月30日 19時30分

以下、李英和教授が教えてくれた聯合ニュースに書かれている概要である。

――韓国外交部は30日、87年12月にワシントンのホワイトハウスで開かれた米ソ首脳会談の際、ソ連のゴルバチョフ書記長が北朝鮮の依頼を受けてレーガン米大統領に渡した文書には

▼南北それぞれ10万人未満の兵力維持および核兵器を含めたあらゆる外国軍隊の撤退

▼南北が署名する不可侵宣言

▼休戦協定を平和協定で代替

▼南北の軍を「民族軍」に統合

▼南北が第三国と締結した民族の団結に反するあらゆる協定・条約の破棄

▼南北で構成された連邦共和国の創設および共和国が中立国・緩衝地帯であることを宣言する憲法採択

▼連邦共和国の単一国号での国連加盟

など、北朝鮮の提案が盛り込まれていた(以上、聯合ニュースからの引用)。

北朝鮮が描く朝鮮半島非核化と統一構想

李英和教授の解説によれば、

●核兵器を含む全ての外国軍隊の撤廃

●米韓と中朝の安全保障条約の破棄

●中立国・緩衝地帯の宣言

などが北朝鮮の長期構想で、核武装中立にしても非核化中立にしても、北朝鮮は「米中両大国からの中立」を模索しているという。

だとすれば、北朝鮮が平昌冬季五輪参加に際して宣言した「朝鮮半島の問題は朝鮮民族によって解決する」という言葉は、文字通り南北が「連邦制統一国家」を創立するという巨大構想を頭に描いてのことだと解釈することができるということになるのだろうか。

その上での「朝鮮半島の非核化」であるならば、これは東北アジアに対してだけでなく、世界全体に対して巨大な地殻変動をもたらすことになる。

そのようなことが本当に起き得るのだろうか?

まだ筆者には、この巨大構想を十分に咀嚼あるいは分析するだけの情報と知識が足りない。

反省しつつ、考察を深めたい。


[執筆者]遠藤 誉
1941年中国生まれ。中国革命戦を経験し1953年に日本帰国。東京福祉大学国際交流センター長、筑波大学名誉教授、理学博士。中国社会科学院社会科学研究所客員研究員・教授などを歴任。著書に『習近平vs.トランプ 世界を制するのは誰か』(飛鳥新社)『毛沢東 日本軍と共謀した男』(中文版も)『チャイナ・セブン <紅い皇帝>習近平』『チャイナ・ナイン 中国を動かす9人の男たち』『ネット大国中国 言論をめぐる攻防』など多数。


※当記事はYahoo!ニュース 個人からの転載です。

≪この筆者の記事一覧はこちら≫


遠藤誉(東京福祉大学国際交流センター長)


この記事に関連するニュース

トピックスRSS

ランキング

記事ミッション中・・・

10秒滞在

記事にリアクションする

記事ミッション中・・・

10秒滞在

記事にリアクションする

デイリー: 参加する
ウィークリー: 参加する
マンスリー: 参加する
10秒滞在

記事にリアクションする

次の記事を探す

エラーが発生しました

ページを再読み込みして
ください