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ロシア、トルコ、イランが(アメリカ抜きで)決めるシリアの運命

ニューズウィーク日本版 / 2018年4月4日 19時0分

「シリア政府の一部は、ロシアとイランに矛盾する約束をしてきた。その矛盾点を解決しなければならない。ロシアとイランはシリアに大きな投資をしており、トルコはパイのかけらを欲しがっている。彼らは敵同士でありながら行動を共にしているが、その狙いは経済的なチャンスだ」と、ラッドは言う。



再建請負にどれだけの価値があるかはわからない。だがロシア、イラン、トルコは、シリアの政権に確実に貸しを作るために、再建のための初期費用を払う可能性が高い。その後、シリアが再建のために受け取る国際援助は、ロシア、イラン、トルコへの返済にあてられることになる、とラッドは言う。

だが会議の焦点が経済だとしても、それは最終的にシリアの政治的、宗教的緊張を悪化させる可能性がある。

「アメリカが参加していなければ、ロシアとイランが仲介するどんな取引も、政治的な緊張を悪化させる恐れがある」と、ブルッキングス研究所の中東専門家クリス・メセロールは本誌に語った。とくにアメリカの支援を受けてきた反体制派は反発するかもしれない。

ロシアは、アメリカ抜きのシリア和平を主導してきた。だがソチで1月に行われた第一回のシリア和平協議は惨憺たる結果に終わった。

怒った参加者がロシア政府の報道官を侮辱し、代表団は誰が会議を仕切るかで言い争い、シリアの反体制派のリーダーたちはソチの空港に到着した後、入国を拒否して会議をボイコットした。

(翻訳:栗原紀子)


クリスティナ・マザ


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