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「胸は垂れるときは垂れる」 母乳神話にまつわる5つの誤解を検証すると...

ニューズウィーク日本版 / 2018年4月13日 16時10分

<母乳育児が1番とは言うものの、通説に振り回され過ぎるのは良くない。さまざまな恩恵のある母乳にまつわる誤解を解けば、マイナスの噂によるストレスを減らすことも期待できる。本誌SPECIAL ISSUE「0歳からの教育 発達編」より>

赤ちゃんにとって母乳育児が最もいいという点で、小児保健専門家の意見はほぼ一致する。母乳は赤ちゃんの免疫機能を高め、病気や病原菌から守ってくれる。授乳は母子の絆も深めるし、生後数カ月の母乳育児と子供のIQ(知能指数)向上の関係を示唆した研究もある。

こうした多くの恩恵が確認されていても、WHO(世界保健機関)とユニセフ(国連児童基金)による194カ国の調査では完全母乳で育つ生後6カ月未満の赤ちゃんは40%だけだ。

母乳育児を妨げるような誤解も多い。以下に見てみよう。

授乳は痛い

通常は、授乳で痛みを感じることはない。痛む場合は乳首の真菌感染症、赤ちゃんが正しい位置で吸えていないこと、母親の妊娠などが考えられる。

赤ちゃんには乳首だけでなく、乳輪まで深くくわえさせよう。そうしないと母乳がうまく飲めずに乳首だけ強く吸われ、母親は乳首をつねられるような痛みを感じることもある。乳頭亀裂のリスクも増す。

珍しい例だが、授乳中に嫌な心地がする人もいる。不快性射乳反射(D-MER)と呼ばれ、ホルモンバランスが原因のようだ。授乳期間中続く場合もあるが、大抵は3カ月ほどで消える。

授乳をすると疲れる

授乳で1日に300~500キロカロリーを消費するのは確かで、母親が1日の必要エネルギー量を摂取していなければ疲労を感じるかもしれない。ただし妊娠・育児サイトのバンプによれば、授乳にまつわる疲労は授乳行為以外が原因だ。例えば授乳の時間。新生児は1日に12回も母乳を飲むことがあり、母親は対応するだけで大変だろう。新米の母親の場合は特にストレスも大きく、疲労に負けやすい。

食事に気を付けるべき

これはイエス。母親の食事が母乳に影響するから、きちんと水分補給し、健康的でバランスの取れた食事をすること。ただし妊娠情報サイトのベビーセンターによれば、ほどほどなら授乳中に好きなものを取っていい。

大量のカフェインは良くないが、1日1杯くらいのコーヒーなら害はない。アルコールの場合、血液中からなくなれば母乳にも入らない。週に1、2杯の少量のアルコールが赤ちゃんに害を与える証拠もないという。



母乳育児は誰もができる

全ての女性が母乳が出るわけではない。ホルモンバランスの崩れや胸の手術などの問題で十分な母乳がつくれないこともあると、母乳コンサルタントのウェンディ・ウィズナーは説明する。ただし乳首の長短や陥没乳頭などは授乳に関係ない。

胸が垂れる

授乳後、胸の形やサイズが変わる可能性はある。だが医療情報サイトのウェブMDによれば、それは遺伝や体重増減の影響が大きい。授乳してもしなくても、胸は垂れるときは垂れるものだ。

<ニューズウィーク日本版SPECIAL ISSUE「0歳からの教育 発達編」では、赤ちゃんの心と体、成長の秘密に迫った。上手に脳を育てる、個性を伸ばす――科学で読み解く発達のメカニズムとは? この記事は「0歳からの教育 発達編」からの抜粋>


デーナ・ダビー

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