外では「可愛い系」でも家では...! 忖度は日本だけじゃなかった
ニューズウィーク日本版 / 2018年5月24日 17時45分
<社会の目を気にして「生中!」を控える女性像。ビールを飲むことで他人に批判されるのが恐いと考えるのは「古い考え」>
飲み会のときに、カルーアミルクやカシスオレンジといった「可愛いドリンク」を敢えて注文する、という女性は結構いる。ただ、これは日本に限らず、イギリスにも同様の「忖度」が存在することを英テレグラフが報じた。
それによると、2009年に3%に過ぎなかった「家ではビール派」(外では違うドリンクを頼む)の女性が、今では3割超にまで増加したという。さらに、外出してパブやバーでお酒を飲む仲間が男性ではなく同性だった場合、女性はビールを選ぶことが多いという。
「味が好きじゃない」以外の理由は?
市場調査会社「ユーガブ」の調査をもとに発表された、興味深いレポートがある。
女性に向けてビールテイスティングを推奨する団体「ディア・ラティス」による「ジェンダーパイントギャップレポート」は、クラフトビールが空前のブームを巻き起こしているにもかかわらず、イギリスはビール消費者における女性の割合が、世界的に見ても最も少ない国だと指摘した。
イギリス人男性で、ビールを「少なくとも1週間に1度は飲む」人が過半数を超えるのに対し、女性は6人に1人(約17%)だけ。ちなみに、アメリカ人女性は26%と報告されている。
男女ともに、ビールを選ばない理由で1番多かったのは「味が好きじゃない」という明快なものだが、調査では、それ以外の理由でビールを飲まない女性の声が浮き彫りになった。
女性がビールを手に取る障壁として挙げたのは主に「古臭い男性向けのマーケティング」「ビールのにおい」、そして「ビール腹による体型崩れ」だ。18~24歳の女性だけで見ると、48%がマーケティングのせいだと回答した。
若者はそんなに気にしていない?
ビールを避ける女性のうち5人に1人は、カロリーの高さを気にしているが、それ以上に多かったのは3人に1人が支持した、「ビールを飲むことで他人から批判されるのを恐れている」という考え。
18~44歳の女性の場合、異性がいる中でもビールを選ぶと答えたのは39%で、まずまずの割合だが、45歳以上の女性で区切るとわずか20%にとどまる。女性でも世代による、ビールの捉え方の違いが鮮明だ。
レポートの共同執筆者リサ・ハーロウは、「女性が、カロリーや味に対する自己イメージや先入観など、ビールに対する間違った考えを未だに持っていることは明らか」と指摘。「ビールを飲まない理由として、多くの女性が『他人による批判』を挙げたことは、現代において落胆すべき結果だ。大物有名人が、ビールを飲むことは好ましいことだと女性に主張する必要があるのかもしれない」。
ハーロウは、ビールと性別の問題は切り離せないという。例えば、ビールに対する認識にはじまり、瓶の形状、アルコール含有量、消費スタイルまで、様々な側面から手を付けることはできるのに、議論だけが続いている状態だ。女性のビール消費が社会的に許容される風土作りのために改善のメスが入っていない現状こそが、問題だと考えている。
ニューズウィーク日本版ウェブ編集部
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