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海外で見た酷すぎるクールジャパンの実態~マレーシア編~

ニューズウィーク日本版 / 2018年6月11日 14時30分

【グランドフロア・1F】~巨大な無人展示室~


本来百貨店の"顔"となるはずのグランドフロア。営業時間のただ中なのに、閑古鳥が鳴く。左端に無言で佇む警備員の姿が際立っている 筆者撮影


まるで博物館?グランドフロアのショーケースの中にある誰も覗かない服飾小物類。概ね10,000円~ 筆者撮影



さて本来なら順番的には一番最初に入るのがこのグランドフロア(地上階)である。The Japan Store開業時には現地人らの列も出来たという記事もあったが、私が訪れたときは全く人がおらない。念のため断って置くが、筆者はこのThe Japan Storeを、4日間連続で訪問したが、すべてに於いて閑古鳥が鳴いていた。同店で撮影した写真は、筆者がわざわざ客が居ない時間帯や場面や角度を狙って撮ったのでは無い。恒常的にこのような状態なのである。

グランドフロアは、百貨店の顔である。常にお客様はこの階から入り、地下の食品フロアーや上階へ上がっていくいわば交差点のようなモノだ。しかし、食品フロアーと同様、全ての商品にあって値段が高すぎるせいで、人が存在しない。このグランドフロアーには「和」をモチーフにした日本の服飾雑貨が展示されているのだが、日本のコンビニで150円程度で売っているウェットティッシュが600円~、フェイスクリームが2,000円~、耐熱性の皿15,000円~という有様なのである。

まるで地方の博物館のごとくショーケースに入れられた日本産皮革で作られた男性用ポーチの値付けを見ると16,000円也。品質が違うとは言え、同程度の男性用小物は、同市内の欧米系ファストブランドですら2,000円程度で買い求めることが出来る。一体このショーケースの中の日本産服飾小物は、開業からずっと売れないでここに居座っているのでは無いか?と錯覚してしまう。

【日用雑貨フロア・2F】11万円の仏像、なぜかスターウォーズ推し~


もはや地下の食品売り場やグランドフロアーよりも無人の空間に日本列島のモジュールが空疎に出迎える 筆者撮影


11万円の値段がつけられた謎の仏像(左)、菊花のモニュメント?14,000円(右上)、なぜかミレニアム・ファルコン号66,000円(右下) 筆者撮影

ほとんど無人の店内を、エスカレーターで2Fに昇るとそこは日用雑貨フロアである。ここに至って、私ははっきりとこのThe Japan Storeに不快感を通り越して嫌悪感を感じるに至った。2Fの中心には、一応日本製のインテリアらしきモノが置いているのだが、その値付けが凄まじい。謎?の仏像110,000円、皇室の紋章をかたどった?30センチほどの置物14,000円也。皇室の紋章であり日本の国章を、こんな風に安直に、しかも誰も買わないようなインテリアにしていいものだろうか。

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