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米欧の報復関税合戦で中国が得る「漁夫の利」

ニューズウィーク日本版 / 2018年6月11日 11時35分

既にEUは報復関税をかける輸入品として、バーボンウイスキー、たばこ、オートバイなど総額30億ドル余りの候補リストを用意。カナダもトイレットペーパーやボールペンなど、さまざまな日用品の輸入に報復関税をかけると発表。アメリカの関税措置は全く受け入れられない、とトゥルドー首相は表明した。

さらにEUは、中国などで生産された鉄鋼が米関税を避けてヨーロッパに流入する事態を懸念。EU内の産業を保護するために輸入制限する構えだ。保護主義を嫌う国々も、同様に自国本位にならざるを得なくなる。

そうなれば、ただでさえ弱々しい世界貿易の回復に水を差し、景気の先行きも怪しくなる。アメリカは29年の大恐慌後、「高関税措置を試みたが、大失敗だった」と、カンターは言う。

その結果、報復合戦から経済はかえって悪化し、第二次大戦をも招いた。歴史は繰り返すのだろうか。

From Foreign Policy Magazine

<本誌2018年6月12日号掲載>


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キース・ジョンソン


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