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北朝鮮を狙う経済開発勢力図

ニューズウィーク日本版 / 2018年6月11日 16時30分



2012年8月17日、張成沢は人民大会堂で当時の国家主席・胡錦濤と二人だけで密談した(通訳一人)。張成沢はこのとき胡錦濤に「金正日の跡継ぎは、金正恩ではなく、金正男(キム・ジョンナム)にさせるべきだ」と話している。胡錦濤は黙ったまま何も答えなかったが、周永康はこの密談の内容を全て盗聴録音して、金正恩に密告。自分が捕まりそうなので、いざという時には北朝鮮に逃げようかと思っていたらしい。

張成沢への「千古の逆賊」としての恨みは、ここにもあったようだ。

このような経緯から、羅先が今回の4大拠点からは外されたものと思うが、これは「中朝友好」の危なさと虚構を象徴していると言っていいだろう。

ロシアは

その羅先はロシアに隣接しているので、今後、おそらくロシアが投資して経済協力していくことになるだろう。 6月5日のコラム<北が米朝蜜月を狙う理由――投資競争はすでに始まっている>に書いたように、ロシアのラブロフ外相は5月31日に訪朝し、金正恩委員長と会談してプーチン大統領の親書を手渡した。

4月29日にプーチン大統領は文在寅大統領と電話会談して、「ロシアの鉄道や天然ガス、電力などが朝鮮半島を経てシベリアに連結すれば、朝鮮半島の安定と繁栄に貢献するだろう」として、露朝韓3か国のインフラや経済協力の重要性を強調している。

9月11日にロシアのウラジオストクで開催される国際会議「東方経済フォーラム」に金正恩委員長を賓客として招きたいとプーチン大統領は言っている。6月9日から山東省の青島(チンダオ)で始まる上海協力機構首脳会議に参加するため、その前に北京を訪問したプーチン大統領は、「東方経済フォーラム」では露朝首脳会談を行うだけでなく、習近平国家主席とともに中露朝3ヵ国会談を行いたいと言った。

韓国は

韓国に関してはもう、言うまでもないだろう。

今年4月27日に開催された南北首脳会談で既に東海(トンヘ)線および京義(キョンウィ)線鉄道と道路を連結することに合意している。京義線はソウルと新義州を結ぶ鉄道路線で、北朝鮮の西側国境沿いを走っている。東海線は釜山(プサン)から北朝鮮の安辺(アンビョン)を連結する東海岸沿いの路線だ。京義線は線路が老朽化しており、東海線は途中で途切れているため南北連結が難しい。これを南北連結させて民族経済を発展させていくとのこと。板門店宣言にも、そのことが謳われている。



もちろん、開城(ケソン)工業団地を復活させることは喫緊の課題だろう。

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