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北朝鮮「非核化の意思」は本当か、試されるトランプ外交の成果

ニューズウィーク日本版 / 2018年7月6日 16時30分

「トランプ政権は、過去を認め現状を直視することを拒否している。トランプの安っぽい手品で世界平和が破壊されるかもしれない」と、マネシは言う。



マネシは現在進んでいる米朝対話を「ピースプロセス・ショー」と呼び、継続中の核兵器開発を隠すために北朝鮮が利用している可能性もあると指摘する。北朝鮮は「長距離弾道ミサイルの攻撃能力を完成させるという目標を達成する」かもしれず、そうなれば米本土やアジア全域にある米軍施設を攻撃することも可能になる。

これは北朝鮮が現在よりも遥かに大きな外交、安全保障上の交渉カードを手にすることを意味する、とマネシは解説する。

すでにアメリカは、韓国とのすべての合同軍事演習の中止に合意した。トランプはこうした演習が「非常に挑発的」で「コストがかさむ」と表現している。韓国政府側はこの決定を「平和への一歩」だと公式に支持したが、米側では多くの人々が金正恩への「必要以上の譲歩」だと批判している。

ジョン・マケイン上院議員(アリゾナ州選出・共和党)は合同軍事演習の中止決定が「間違い」だと言っている。6月14日にマケインは声明を出し、「不必要で一方的な妥協はアメリカの国益に与さない。対話継続のために『善意の妥協』を続けてはならない」と述べている。

ジョン・ボルトン大統領補佐官(国家安全保障問題担当)は7月1日、今後一年の間に「圧倒的な数量」の北朝鮮の大量破壊兵器を解体する計画だと明らかにした。しかし核問題の専門家によれば、この計画は良く言っても「とても非現実的」で、おそらく実現は不可能だ。

大量破壊兵器に関する研究機関「核脅威イニシアティブ」のリチャード・ジョンソンは、「(北朝鮮の)核開発の規模と複雑さだけを考慮しても、12カ月という短期間で非核化を完了するのは物理的に不可能ではないか」と、本誌の取材に語っている。

6日から3度目の訪朝をするポンぺオに課せられた使命の1つは、北朝鮮に保有する核弾頭や核施設を「すべて」申告させることだ。もしすべての情報が提出されれば交渉を続けることができる。だがそれがもし、米情報機関が把握している核弾頭や核施設の数より少なければ、北朝鮮に非核化の意思はないとはっきりする。

そのときトランプ政権はどうするのか。トランプはこれまで一貫して米朝首脳会談が世界にとって有益な瞬間だったと公言してきたが、今週FOXニュースの取材に対して米朝合意が「崩壊することはあり得る」と認めている。

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ジェイソン・レモン


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