1. トップ
  2. 新着ニュース
  3. 国際
  4. 国際総合

世界が激怒する中国「犬肉祭り」の残酷さ

ニューズウィーク日本版 / 2018年7月6日 18時30分

結果、14年以降、業者は派手なお祭り騒ぎを自粛し、公共の場での犬殺しは禁止され、市内の犬肉処理場は郊外に移転した。

しかし市当局は祭りを禁止してはいないし、中国政府も犬肉取引を禁止していない。前述のように雇用面でも市場規模でも、中国の巨大な経済に占める犬肉産業のシェアは微々たるものなのに。

中国政府と地元の当局者は個人的には犬肉食には反対だと機会あるごとに強調している。そうは言っても犬肉産業の就労者は(数は少ないが)、貧しい農村出身者の中でも最も学歴が低く、技術を持たない最底辺の人々だと、当局者も知っている。

犬肉取引を禁止するなら、この人たちにそれに代わる生計手段を与えなければならない。政府としては犬肉産業をつぶすより、自然消滅を待つほうが政治的リスクは少ない。

それでも脱・犬肉食は時代の流れだ。玉林で会った犬肉業者の子供たちは親の職業を継ぎたくないと言っていた。既に香港と台湾では犬肉食は禁止されている。中国本土でも当局が本気になれば禁止できるはずだ。

<本誌2018年7月10日号【最新号】掲載>


ピーター・リー(ヒューストン大学ダウンタウン校准教授)


この記事に関連するニュース

トピックスRSS

ランキング

記事ミッション中・・・

10秒滞在

記事にリアクションする

記事ミッション中・・・

10秒滞在

記事にリアクションする

デイリー: 参加する
ウィークリー: 参加する
マンスリー: 参加する
10秒滞在

記事にリアクションする

次の記事を探す

エラーが発生しました

ページを再読み込みして
ください