ロシアW杯で水不足、猛暑で拍車

ニューズウィーク日本版 / 2018年7月9日 16時30分

<サッカーファンで溢れかえるロシアの地方都市が問題に直面>

ワールドカップ(W杯)を目がけて世界中からやってくる観光客は、ロシア経済を一時的であれ活性化させるものと期待されていた。だが実際には、大量の観光客をさばききれず逆境に直面する都市が出てきている。

7月7日にイングランドとスウェーデンが準々決勝を戦った地方都市サマラでは、観光客の急増が原因で水不足に陥りつつある。断水のリスクを緩和するため、市の水道当局は一風変わった節水対策を呼び掛けている。「シャワーは2人一緒に浴びましょう」

モスクワ・タイムズ紙によれば、サマラ市の水道当局は水使用量の急増に対応するため、ここ数日で供給量を10%近く増やしたが、住民に対しては引き続き水不足への注意喚起を行っている。観光客に節水を奨励するより、地元の人に普段の生活を改めてもらう方が得策、と考えたようだ。

「数千人の観光客が来て水を使用するため、需給が逼迫している」、とサマラ市の水道会社は7月4日のプレスリリースで述べた。

ソチでは茶色い水が出た

W杯開幕以降、最高気温が35度を超える猛暑が続いていることも、水の使用量増加に拍車をかけている。AP通信によれば、6月25日のロシア対ウルグアイの予選では猛烈な暑さが予想されたため、公共の交通機関からアリーナまで約1.6キロの道のりを歩く観客のために医療スタッフが無料で水を配布した。サポーターにホースで水をかけるボランティアも登場した。

W杯期間、水不足を予想していたのはロシアだけではない。日本の東京水道局は、日本代表戦のハーフタイムと試合終了後にサポーターが一斉にトイレに駆け込むと予想し、準備していた。実際、6月19日の日本対コロンビア戦では、水の使用量がハーフタイム中に24%、試合終了後は50%増えた。

実は2014年ソチ冬季五輪でも、水不足は問題になった。当時のロシアは、選手や観客、メディア関係者などの受け入れに必要なインフラを提供できていなかった。大会を取材したジャーナリストたちは、水道の蛇口をひねると茶色の水が出てきた、と書いた。

(翻訳:河原里香)




ダニエル・モリッツ・ラブソン

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